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“潮目”が変化 中国経済スローダウン
- 2008/05/01(木) 13:02:36
“潮目”が変化 中国経済スローダウン
4月30日 フジサンケイ ビジネスアイ より転載
中国経済が減速し始めた。
貿易黒字の減少が主因だが、この傾向は今後さらに強まるとの見方が多い。
株価が半年で半値に暴落して政府がてこ入れに乗り出す一方、
物価上昇には歯止めがかからない。
5年連続の2ケタ成長で爆走してきた中国経済の“潮目”が変わりつつある。
■サブプラ影響?
中国当局の説明では「国内経済は堅調だが、
米サブプライム(高金利型)住宅ローン問題の深刻化で
輸出の伸びが鈍り、成長が減速した」ということになる。
果たしてそうかには、大いに疑問がある。
実は国内経済にもあまたの問題が表面化しているからだ。
第一にインフレの高進である。
消費財小売り総額が2割も伸びたのは、物価急騰のためだ。
1〜3月の消費者物価上昇率(CPI)は前年同期比8%上がった。
特に必需品である食品価格は21%も上がった。
■工業製品に波及
世界的な穀物価格の高騰や中国の食肉需要の急拡大で、
食物インフレに歯止めがかからない。
政府にとってさらに頭が痛いのは、
食品など一部消費財から始まった価格上昇が
工業製品全般に波及し始めた点だ。
昨年前半は2〜3%台で落ち着いていた
工業品の工場出荷価格(PPI、卸売物価に相当)までが
6・9%(3月単月では8%)も上昇した。
これも世界的なエネルギー、鉱物資源価格急騰の影響が大きいが、
中国はその多くを輸入に依存している。
しかも長い間、これらを低価格で統制してきたため省エネが遅れ、
消費効率が極めて悪い。
原材料価格高騰のコストを消費者に転嫁するか企業がかぶるかは、
需給関係で決まる。
消費者が負担すれば消費に響くし、
企業が負担すれば収益悪化につながる。
どちらが負担するにせよ大きな景気後退要因だ。
■不動産値崩れも
固定資産投資の膨張が続いていることも要注意だ。
不動産バブルは昨秋、曲がり角を迎え、
年初から北京、上海、広州などで値崩れが始まっている。
土地競売で買い手がつかないケースが各地で続出している。
企業の投資も省エネ効率化や研究開発に向かっていれば結構だが、
従来型の単なる増産投資なら危険だ。
世界景気が後退色を強めつつあるだけに、直ちに生産過剰につながるからだ。
公共事業についても日本の“二の舞”になりかねない。
中国の株式バブルは崩壊したといえよう。
上海総合指数は昨年10月に6124
(瞬間値)の最高値を付けたが、
今月22日には一時3000を割り込んだ。
株式投資に失敗し自殺する素人投資家が増えている。
社会不安を懸念した政府は24日、
株式売買時の印紙税率を0・3%から0・1%に下げるなどの
株価てこ入れ策を講じた。
相場は3500台まで戻したが、翌日には反落している。
企業収益は今年に入り急速に落ち込み始めているだけに、
政府の買い支えがなければ、再び3000台割れの可能性が大きい。
■アングラマネー
中国経済を取り巻く環境がきな臭くなるなかで、
海外からのアングラマネーの流入が激増している。
広東省社会科学院の推計によると、
1〜3月期に850億ドルもの巨額資金が流入したという。
多くは中国系マネーで、ケイマンなどのカリブ海諸島や香港経由で流入、
人民元の切り上げ差益獲得や、中国株暴落後の底値買いなどを狙っているようだ。
政府がインフレ抑制のために利上げや元切り上げを進めれば
こうした投機マネーの急増に拍車をかけ、
過剰流動性がさらなるインフレを招きかねない。
中国政府を苦しめているのは、愛国心の豊かなはずの中国人でもある。
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