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フィリバスター(議事妨害)
- 2008/04/13(日) 14:26:24
「フィリバスター(議事妨害)」は反民主的行為か?:より転載 2005/7/6
今回は「フィリバスター(filibuster)」と呼ばれる
「審議引き伸ばし」「審議妨害」について書きます。
次期国連大使に指名されてるボルトンの議会承認が
民主党の「フィリバスター」で立ち往生しています。
またブッシュ大統領が指名した裁判官の承認も「フィリバスター」に直面しています。
議会のあり方を考える上で、
こうした日米の議会の現状と相違を考えてみるのも面白いと思います。
戦前の映画ですが「スミス都に行く」
(1931年作、ジェームズ・スチュアート主演。)というのがあります。
正義感に燃える青年が偶然連邦議会の議員になります。
しかし、そこで見たのはボス議員の腐敗でした。
また地元の公共事業も議員と地元の企業とメディアが組んで不正を行なっていました。
それを知ったスミス議員は、その事実を告発することを決意します。
しかし、新米議員にはまったく影響力もありません。
資金もありません。
そこで彼は、議会の審議を通して、不正が行なわれている事実を明らかにしようとします。
その手段が「フィリバスター」でした。
彼は、延々と演説を続けます。
演説中に席に座ると、「フィリバスター」を中止しなければならず、
疲労困憊しながらも、演説を続けます。
「憲法」の条文などを延々と読み続けます。
最初は彼を無視していた世論が、少しずつ彼の主張に耳を傾け始めます。
そして不正の事実を知ることになるのです。
彼の発言を押さえつけようと選挙区では、
ボスたちがメディアを使って猛烈な誹謗中傷のキャンペーンを行います。
しかし、地元でも次第に彼を支持する人々が増え始めます。
尊敬され、潔癖に見える議員が、実は地元の企業やメディアと癒着しています。
最初はスミス議員を抑えにかかったのですが、
やがてスミス議員の正義感に恥じ、最後に自殺します。
スミス議員の「フィリバスター」によって不正は暴かれ、
議会に正義が戻るという物語です。
今、見ても十分に面白い映画です。
日本では内容が刺激的すぎるということで、上映が禁止されたそうです。
後で説明しますが、アメリカの政治には、それに似た事実があるのです。
要するに「フィリバスター」は、長時間にわたって演説することで
審議の時間切れを狙う議会戦術のことです。
「フィリバスター」は映画の世界の物語ではありません。
今現在、上院におけるボルトンの国連大使承認や裁判官の承認が
「フィリバスター」によって阻止されているのです。
まずボルトン問題のその後から書きます。
与党共和党は6月中にボルトンの国連大使人事を承認しようとしましたが、
民主党のフィルバスターに会いました。
共和党は民主党の「フィリバスター」を終らせるために「審議打ち切り」を求める
「クローチャー(clotureあるいはclosure)投票」を
5月26日と6月20日に行いました。
規則によれば、議員の6分の1の発議により、
5分の3の議員、あるいは60名の議員が賛成すれば、
「フィリバスター」を中止しなければなりません。
もっと具体的にいえば、「フィリバスター」は議員が長時間演説をすることで
議事進行を阻止するものですが、
「クローチャー投票」が成立すれば、
発言議員は投票から1時間以内に演説を止めなければならないのです。
しかし、共和党は2度の「クローチャー投票」で
いずれも60名の支持を得ることができず、
ボルトン承認の投票を行なえない状況が続いているのです。
アメリカ議会だけでなく、日本と同じ議員内閣制をとっているイギリスでも
「フィリバスター」は、正当な行為として認められています。
議会における少数党の役割をどう位置付けるかという問題があるようです。
日本の状況を見ると、少数政党が政府与党に抵抗する方法は限られています。
「牛歩戦術」や「審議拒否」「関係閣僚の不信任案提出」など、
審議を引き延ばす方法は限られています。
かつては「牛歩戦術」が「フィリバスター」と同じように効果を発揮した局面もありました。
しかし、最近の日本の国会では、
野党の審議引き延ばしは、どうも旗色が悪いようです。
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