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イラク戦にさらに強力な劣化ウラン弾を準備?

  • 2008/03/20(木) 18:10:15

wired news より転載
米国、対イラク戦に備えてさらに強力な劣化ウラン弾を準備?
2003年3月12日

 ペルシャ湾に展開している米軍は、
湾岸戦争や国連のボスニアでの軍事行動の際に使用した武器よりも
ずっと強力な爆弾やミサイルで武装している可能性がある。

 湾岸戦争やボスニア紛争で戦車や対戦車攻撃用の航空機に搭載された徹甲弾は、
サイズが30ミリから120ミリという比較的小さな劣化ウラン弾だった。

しかし今回、兵器の専門家たちは、
米国がさらに強力な劣化ウラン弾を使おうとしていると見ている。

アフガニスタンでタリバンへの攻撃に使用された
「バンカーバスター」爆弾
[厚いコンクリートを突き抜けて地下壕などの防御施設を破壊する爆弾]
やミサイルに、劣化ウラン弾が使われる可能性があるという。

 米国防総省は、バンカーバスターに
ウランや劣化ウランを使用していることを認めておらず、
地下深くに作られた建造物の鋼鉄や鉄筋コンクリートを
貫通するミサイルの弾頭が、
どういう高密度金属でできているかについて口を閉ざしている。

 だがイギリス人の研究者、ダイ・ウィリアムズ氏など、
米国の動きに批判的な人々は、
900キロ余りの爆弾を搭載できる空対地巡航ミサイル『AGM 130C』や、
地下壕などの強化目標をレーザー誘導で攻撃する
誘導爆弾(GBU)などに十分な貫通力を与えられる高密度金属には、
何らかのかたちでウランを使っているとしか考えられない、と強く主張している。

 また、旧世代の爆弾をバンカーバスターとして使用できるようにする
改造や改良についての特許を調べた結果、
これらの兵器に劣化ウランが使用されていることが明白になったという。

 たとえば、(『GBU-24』によって目標に導かれる)
『BLU-109B』で現行の爆弾と同様の重量を保ちながら
貫通体をより細いものにするという特許の申請書には、
タングステンまたは劣化ウランを使った貫通体について明記されている。

 「本当にタングステンが使われているなら、機密扱いになる理由はない」
とウィリアムズ氏は指摘する。

 劣化ウランは核分裂の過程で生じる副産物で、
原子力発電所の運転でもできてくる。
装甲その他で強化された目標は、
非常に大きな運動エネルギーを持つ砲弾でなければ貫徹できないため、
劣化ウランは理想的な材料となる。

 物体の運動エネルギーは速度の2乗に質量を掛けて2で割ったものに等しいため、
弾頭に使用する金属の密度が高ければ高いほど運動エネルギーも大きくなる。

鉄の約2.4倍、鉛の約1.7倍というウランと
同等の密度を持つ材料といえばタングステンしかない。
しかし、タングステンには劣化ウランのような高い焼夷性がない。

タングステンにはもう1つ、高価だという欠点がある。

それにひきかえ、劣化ウランは非常に安い。
米国内各地に設置された政府の貯蔵庫には、
最新の調査によれば20万トン以上の劣化ウランが蓄えられているという。

 この増えすぎた核廃棄物を減らそうと
米国防省は、世界最大の劣化ウラン弾メーカーである
米アライアント・テクシステムズ社(ATK)などの
軍需メーカーに劣化ウランを無償で提供し、
完成した武器を買い戻している。

 劣化ウランにもいくつか欠点がある。

劣化ウランの放射能は純粋ウランの40%、半減期は45億年だ。
さらに、非常に焼夷性が高く、衝撃を受けると原子炉さながらに燃え上がり、
打ち込まれた弾頭の大部分は微細な放射性酸化物に変化する。

この放射性酸化物が風に運ばれ、
戦場から何キロも離れたところにいる一般市民が吸い込むことも考えられる。

 にもかかかわらず、国防総省と米復員軍人援護局の上層部は、
劣化ウランは戦闘員にとっても非戦闘員にとっても100%無害であり、
「湾岸戦争症候群」と呼ばれるいかなる症状にも関係ないと主張して譲らない。

 劣化ウランの無害性を主張するつもりで
一番とんでもない発言をした政府関係者は、
おそらくウィリアム・コーエン元国防長官だろう。

コーエン氏はあるとき、劣化ウランは
「有鉛塗料」に負けず劣らず安全だと発言したのだ。
有鉛塗料は極端に毒性が高いため、
1978年以降、連邦法により住宅への使用が禁じられている。

 だが、軍関係者の誰もがみな、劣化ウランの安全性を確信しているわけではない。

 1991年の初めに陸軍は、
湾岸戦争中に使用された推定300トンの劣化ウラン弾が戦後に及ぼす影響を調べるため、
物理学者のダグ・ロッケ氏を含めた調査チームをイラクに派遣した。

1990年代半ばに、ロッケ氏は現役軍務に戻され、
劣化ウラン汚染に対処するための訓練および管理方法を策定する
プロジェクトの最高責任者に任命された。

 ロッケ氏は、「イラクやサウジアラビア、クウェートで
戦闘中に劣化ウランを浴びた兵士」
および、イラク、そして劣化ウラン兵器の実験や訓練が行なわれている
米国内外の軍事施設で
「劣化ウランを浴びた民間人全員について、
健康調査を実施している」と話している。

 またロッケ氏によると、国防総省は湾岸戦争に先立って
「かなりの危険性」を認識していたという。

イラクがクウェートに侵攻する直前に、
米陸軍の武器・弾薬・化学コマンドが出した報告書に、
劣化ウランは「体内被曝によるガンと関係づけられる」
という記述があったため、議論が起きた。


 ロッケ氏によれば、イラク入りした現地調査員が
劣化ウランを使ったバンカーバスター爆弾の残骸を調べたところ、
質量の40%が微細な放射性酸化物に変わり、
残りの60%は被弾地域周辺に固形のまま残っていることがわかった。

 「装備の汚染物質を調べてみると、
ウラン酸化物やその他の危険物質、
燃えずに残った爆薬の不安定な粒子、
爆発で生じた副産物などが含まれていた。
体内に吸い込んだり、経口摂取したり、傷口を通して入ったりする恐れのある、
ウラン以外の放射性物質も検出された」とロッケ氏。

 「重さ180グラムから4.5キログラムまで、
劣化ウランで作られた貫通体の大小さまざまな破片が
自分の家の裏庭に散らばっていたらどうだろう。
どんな形であれ、自分の庭がウランに汚染されたままにしておきたい人がいるだろうか?」

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