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イラク 劣化ウラン弾被害調査 4
- 2008/03/20(木) 14:50:26
■ 分析結果は住民、兵士の劣化ウラン汚染を証明
ウェイマン氏らが採取したサンプルは、
ドイツのフランクフルトにあるゲーテ大学鉱物学研究所で
地質学者アクセル・ゲルデス博士が超高感度の質量分析計で調べています。
ゲルデス博士は次のように述べます。
「バグダッド南部には、激しい戦闘が行われた場所があります。
そこで集めた土壌サンプルから劣化ウランを検出しました。
その濃度は、あまりにも高く、放射線の量は、自然界にはあり得ない程でした。」
「(こんな場所では)当然のことながら、
劣化ウランを吸い込んでしまう危険性が、格段に高くなります。
しかも、戦闘地域に近づかなければ安全というわけではありません。
劣化ウランを含んだチリは、周囲一体に飛び散るからです。
劣化ウランは、土壌の中に、半永久的に残り、
住民は、危険にさらされ続けるのです。」
「ウェイマン氏とシェイクリー医師は、イラクに2週間滞在しただけですが、
特にウェイマン氏は、高いレベルで汚染されていました。
もちろん、現地の人々は、汚染される危険が遙かに高く、
もう何年もそういう状況の中で暮らしていることになります。」
ゲルデス博士は、イラク戦争の帰還兵から集めた尿のサンプルも分析しました。
これからも高濃度のウランが見つかりました。
「帰還米兵の尿のサンプルを分析したところ、
4割近くから劣化ウランを検出しました。
被験者の3割から4割が、汚染されていたのです」。
さらに、イラクで集めた土壌や尿のサンプルを超高感度の装置にかけたところ、
殆どから高い放射性のあるウラン236が検出されました。
「多くのサンプルからウラン236を検出しました。
これは自然界には存在しないウランなんです。
ウラン236は、原子力発電所でできる同位元素です。
また、プルトニウムもできます。
問題は、このプルトニウムが混入している危険性があると言うことです。
もちろん、そのほかの放射性物質も含まれているかも知れません。
それらは、人体に大きな影響を及ぼすことになります」。
■ ボスニア、セルビア、NATO軍兵士にも汚染が
番組はイラクだけでなく、
アメリカとイギリスが1995年に劣化ウラン弾を使用した
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争も取り上げます。
サラエボの西、セルビア軍の工場があったハジッチは、NATO軍の爆撃にさらされました。
今でもこの村では、放射線が検出されます。
スラヴコ・ズドラーレ医師は
「私たちは紛争後、この地域の白血病の発症率を調べました。
すると、紛争の前よりも遙かに発症率が上昇していることが分かったのです。
特定の血液疾患で見ると、紛争の前と比べて
5倍から6倍にも上げっているものもありました」
と言います。
ハジチが空爆された後、3500人の住民が、
ボスニアのセルビア人地区、ブラトナスに移住しました。
しかしこの時すでに、多くの住民が、健康を損なっていたと言われています。
その後、5年間で、ハジチから移住した3500人の内、
ほぼ3分の1に当たる1112人が、
悪性の腫瘍が原因で死亡しました。
セルビア共和国のノヴィパザルは、
コソボ自治州との境にあるイスラム教徒の多い町で、
ここにも劣化ウラン弾が投下されました。
住民の家屋も被害を受けました。
ボスニアと同じく、ここでも悪性腫瘍の発症率が急増しました。
特に、白血病は、若い人たちの間にも広がっています。
被害を受けているのはバルカンの住民だけではありません。
コソボ自治州に駐留している
イタリア、スペイン、ポルトガルの兵士にも白血病が広がっています。
ドイツ軍には、健康被害はないと発表されていましたが、
内部資料によって、プリツレンの兵士たちが、
肺疾患にかかっていたことが明らかになりました。
■ この子はもう助からない−−子どもたちに多発する病気
ギュンター博士は、バスラの産科小児科病院に向かい、
恐れていた事態を目の当たりにしました。
湾岸戦争後、悪性の腫瘍を発症した人は10倍に、
先天的に障害を持つ新生児の数は20倍に跳ね上がったのです。
バスラ産科小児科病院の医師ジャナン・ハッサンは次のように言います。
「バスラと同じように、今度はバグダッドで
悪性の腫瘍が急増するのではないか、と心配しています。
イラク戦争では、バグダッドの広い地域が、劣化ウラン弾の爆撃にされされたからです。
この病院では、頭や手足、鼻や眼の無い
先天性の障害を持つ赤ちゃんが産まれています。
戦争前は、出産したお母さんは、まず男の子か女の子か、と聞いたものでしたが、
今では真っ先に、異常はないか、と聞くようになりました。
障害を持つ赤ちゃんを3人産んだ女性は、夫から離婚されてしまいました。
夫は、赤ちゃんの異常を産んだ妻のせいにするのです。
みんな兵士の子どもたちです。
悪性の腫瘍は、大人だけでなく、小さな子どもたちにも広がっています。
特に白血病やリンパ腫が多く見られるようになりました。」
ギュンター博士は言います。
「こうした子どもたちが助かる見込みは殆どありません。
本当に忌まわしい状況です。
見ているのがつらいです。
殆どの場合、母親が子どもを家に連れて帰り、そこで亡くなります」。
撮影から二日後、その7歳の少年も亡くなりました。
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