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イラク 劣化ウラン弾被害調査 3

  • 2008/03/20(木) 14:42:00

■ 帰還兵に広がる被害

 湾岸戦争症候群に苦しむ帰還兵は、15万人に上ると言われますが、
アメリカ、イギリス両政府は、劣化ウラン弾との関連性を否定しています。

ギュンター博士は、ハンブルクで開かれた会議で、科学者と意見交換を行いました。
アメリカの帰還兵に先天性の障害児が生まれる割合は、
通常の3倍にも達するというデータが示されました。

 1991年の湾岸戦争で、米軍と英軍は初めて劣化ウラン弾を使用しました。
兵士たちはその威力に驚きました。

「劣化ウラン弾が命中したときの光景は、
まるでスローモーションを見ているようでした。
弾が装甲を突き抜ける間2−3秒の間があって、
それから戦車が爆発したんです。
まるでバターにナイフを刺すように簡単に貫通しました。」
(英湾岸戦争帰還兵ケニー・ダンカン)。

しかし、帰国してから多くの兵士が身体の異常を訴えたり、
子どもに先天性異常が現れたりしたのです。

 ケニー・ダンカンの息子ケネスは9歳です。
一見、健康に見えますが、足の指はくっつき、耳にも異常があります。
免疫力が弱いため、ひどく疲れやすく、頭痛に悩まされています。
父親のケニー・ダンカンは、湾岸戦争で破壊された戦車の修理に当たっていました。
中には、味方の誤射で劣化ウラン弾に被弾した戦車もありました。

戦争前は健康だったケニーが、一変して体調不良を訴えるようになりました。
ケニーの妻は次のように述べます
「特にこの5年ほどで症状が悪くなりました。
夜中にひどいけいれんを起こすようになったんです。
引きつけを起こしたように筋肉がけいれんして、
薬物治療を受けていますが、心配で仕方ありません。」

 生化学者アルブレヒト・ショットは、ケニー・ダンカンの遺伝子を調べました。
その結果、著しい数の異常を確認しました。

「ケニーは、かつて健康体で何の問題もありませんでした。
染色体も正常だったんです。
しかし、放射線にさらされてから、染色体は傷つき始めました。
問題は、ケニーだけではありません。
彼には、3人の子どもがいますが、調べたところ、
全員に深刻な遺伝子異常が見られるんです。
劣化ウランは燃焼すると微粒子になり、身体のあらゆる部分に入り込みます。
リンパ球、脳や肝臓、そして、精子や卵子にも入り込んでしまいます。
そのため、ケニーの子どもたちに遺伝子異常が出てしまったのです。
当然、孫の世代にも同じように異常が受け継がれる恐れがあります。
そのまた次の世代にもです。」
(ショット)。

2004年2月、裁判所は、ケニー・ダンカンの健康被害を
劣化ウラン弾による汚染が原因だと認めました。
帰還兵の病気が、劣化ウランのせいだと認められたのは、これが初めてでした。

 湾岸戦争時、イギリス軍の戦車に劣化ウラン弾を積み込む任務に
就いていたジェニー・ムーアは、戦後、双子を妊娠しましたが
彼女にも異変が現れました。

ムーアは、二度目の妊娠でも子どもを流産したのです。
胎児には眼がありませんでした。

「新聞を読んで、眼のない子どもがアメリカでも大勢生まれていることを知りました。
それで私の赤ちゃんも湾岸戦争症候群の犠牲になったんだと分かったんです」
(ムーア)。

ジェニー・ムーアは憤ります。
「もしもイギリス政府が、帰還兵5万2千人が全員死ねば、
この問題は自然に解決するとほんの少しでも考えているとしたら、
それはとんでもない間違いです。
5万2千人の殆どが家族を持っているからです」。

■ イラク現地汚染調査

 ウラニウム医療研究センターのウェイマン氏とシェイクリー医師は
バグダッドやバスラなど10数カ所を調査して回りました。

各地でホコリや住民の尿サンプルを採取しました。
激しい戦車戦が繰り広げられたバグダッド南部で、
彼らは土壌を検査し、劣化ウランの痕跡を探していて、
その危険な場所のすぐそばで食べ物や飲み物が売られているのを発見します。

「ここは戦車戦のあった場所なんです。
すぐそこにも戦車が撤去された跡が残っているでしょう。
放射線量は、通常のおよそ100倍から150倍で、
これまでで一番高い数値です。」
(ウェイマン)

「当然、立入禁止区域にすべきレベルです。
とても人が行き来して良いような状態ではありません。」
(シェイクリー)。

また、彼らはバグダッドで空爆によって破壊されたビルも調査しました。
彼らはテレビ局が6階分の床を突き抜けた爆弾で破壊された事を知って、
このレーザー誘導爆弾にも劣化ウランが使われたのではないかと考えています。

 イラクのバスラでは、湾岸戦争でもイラク戦争でも激しい戦闘が繰り広げられました。
イギリス軍は、汚染された戦車はすでに撤去したと言います。
しかし、大規模な戦車戦があったアブ・カシブ近郊で
ウェイマン氏は、劣化ウラン弾で破壊された戦車を何両も見つけました。

「この戦車の放射線量は、自然界に存在する放射線量の2万倍もの値を示しています。」
とウェイマン氏は言います。
撮影の中でもガイガーカウンターの針は振り切れ、アラームが危険を知らせています。
彼らは更に劣化ウラン弾が当たった近くの製氷工場の貯蔵タンクも調べます。
この水からは、WHOが定める安全基準値の6倍から8倍の濃度のウランが検出されました。

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