アメリカによる郵貯・簡保の乗っ取り

  • 2008/03/04(火) 17:38:55

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/03/index1.html
より転載

しかし、ここに3番目のシナリオがある。
アメリカによる郵貯・簡保の乗っ取り」だ。

そんなことを言うと、
「国債ばかり抱えた金融機関を、なぜアメリカが狙っているのか」
と疑問に思う人もいるかもしれない。

その理由はこうだ。

たとえば、公開された株式のうち、半数とはいわないまでも、
アメリカが約20%ほどを購入することは十分に可能性がある。

そうして経営の発言権を握れば、
郵貯と簡保を合わせた300兆円の使い道に口が出せるというわけだ

そこで、アメリカがこんな提案をしてきたらどうだろう。

「こんな低金利の日本国債を運用しているのは、株主の利益にかなっていない。
それよりも、金利の高いアメリカ国債を購入するべきだ」

確かに、アメリカ国債は信用調査で見る限り、ランク付けは高い。
この提案を拒否することはできないだろう。

実は、アメリカは2003年で60兆円の赤字。
そのうち財政赤字が45兆円にのぼり、苦しい状態である。

そんななか、2004年以降は中国がアメリカ国債を買ってきたのだが、
この先はそれがあてにできないという事情がある。

というのも、中国のアメリカ国債購入の動機は、
人民元をやすく抑えるためだからである。

中国は市場に介入して、ドルを購入して人民元を買いたたき、レートを安く抑える。
そして、買ったドルが国債に化けていたというからくりである。


しかし、今後はそういった大がかりな介入は減ってくるだろう。

そもそも、先の見えないアメリカ国債など、
恐くて買っていられないというのが中国の本音である。


こうして買い手を失った国債を、郵貯が引き受ける――
これがアメリカの抱いているシナリオではないだろうか。

すると、郵貯・簡保から出ていった日本国債はどうなるか。

おそらく、民間銀行が買い取るということなるだろう。

そうなったら、日本の銀行に新しい問題が起きてくるわけだ。
不良債権ならぬ不良債「券」問題である。
これが、私が考える一番可能性のあるシナリオだ。
そして、少なくとも日本にとっていいことは何もないシナリオでもある。

庶民は郵貯から逃げ出す準備を整えよ

こうした動きに対して、庶民がとりうる対策は1つ。
すぐにでも郵貯から逃げられる態勢をとっておくことである。

このシナリオが本当に起きたら、
知恵のある人は真っ先に郵貯から逃げ出していくだろう。

だが、事情がよく飲み込めずに逃げ遅れる人も多くいるに違いない。
郵貯のお得意さんである、いなかの高齢者である。

もちろん、誰が損しようとも補償をしてくれるところはない。

「自己責任」ということばで片づけられるのである。

そうして、安全だと信じていた虎の子の貯金を失うといった悲劇が、
あちこちで起きるような気がしてならないのだ。

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