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緑の革命 3
- 2008/02/29(金) 16:55:55
http://shiba.iis.u-tokyo.ac.jp/member/old/yamamoto/food/neogree1.html
より転載
1941年、ロックフェラー財団とメキシコ政府が共同で取り組んだ小麦の高収量品種開発をいう。
コーンと小麦の開発のためメキシコにトウモロコシ・小麦改良センターが、
米の開発のためにフィリピンに国際稲研究所が作られた。
緑の革命は最初飢餓をなくすと言われていたが、
第三世界に導入されると食糧問題解決どころか
伝統的な農業と環境を破壊する事になり、
飢餓や砂漠化の原因の一つとなった。
緑の革命の主眼は高収穫品種の導入にあった。
特に、米・小麦・大麦については、
高収量品種の開発のために様々な研究開発が行われた。
といってもこれは在来品種が劣っているとか、熱帯地帯の農民が劣っていたということではない。
そのことでいえばむしろ逆で、
在来品種はその地方の環境条件に完全に順応しており、
農民もそれが必要とする条件をよく知っているのである。
この在来種の収穫増収を妨げている要因は主に土壌の貧困さにある。
在来種は競争に勝ちぬくために、
周囲の雑草をしのぐ勢いで太陽の光と土地の養分を吸収し、
急速にまた背高に成長する。
そのために、稲を密に植えるとお互いに太陽の影を落とし合ってしまい、十分育たなくなってしまう。
在来種の根の構造は強く
貧しい土壌からできるだけ多くの養分を吸収しようとするので、
化学肥料などを施せば成長しすぎて倒れてしまい、
かえって穂をいためてしまうのである。
これに対して、高収量品種は
化学肥料と殺虫剤の効果を
最大限に生かすように改良されたものである。
つまり小型の在来種をベースに、短く堅い茎と小さくまっすぐに伸びる葉を持つ
品種になるように、掛け合わせて作られた。
これは茎が折れることなくできるだけたくさん穂を支えられるように、
また近接して植えられても互いに太陽光を妨げないようにするためである。
根の構造も化学肥料が必要な養分を供給してくれるので、在来種に比べて小さくなっている。
こうした品種改良に取り組む最初の本格的な研究が1943年メキシコで始まった。
数人からなる小チームが熱帯気候に適した高収量品種の小麦を開発した。
この品種は1970年になるまで、1940年代初期の収穫量の4倍もの収量を達成したのである。
1960年にはこのメキシコ小麦改良計画に習って、国際稲作研究所がフィリピンに設立された。
1966年には初期のものだが高収量品種が研究所から発表され、
アジアの低地地帯で広く取り入れられたのである。
IR8と名付けられたこの品種は様々な自然条件にも順応する高収量品種で
非常に優れたものである。
この品種はわずか120日間で成熟し(在来種では160日かかった。
そのおかげで農家は二期作が可能になったのである。
緑の革命にとって高収量品種は重要な要素であるが、
新しい農業として供給・サービスの面の環境整備も必要である。
つまり、灌漑施設の整備・化学肥料・殺虫剤・穀物倉庫の用意なども進めなければ、
高収量品種の開発だけでは、あまり効果がない。
実際の事業ということになれば、
新たな開発事業費を負担する農家に対して
資金貸付の制度も用意しなければ事業が進まないことが多いのである。
確かに、ところによってはこの緑の革命は目を見張るような進展があったのだが、
必ずしも全てがうまくいったわけではない。
特にインドでは、政府貸付金が使えない限り、
小作農民は大地主から独立できないような土地所有形態になっていたのである。
また新しい農耕法を農民に伝授するといった具体的な事柄も相当な難問である。
高収量品種の場合、化学肥料や殺虫剤の散布は
特定の時期を注意深く見計らって行わなければならず、
これを間違えるとあまりうまく成長しない。
さらに雑草が生えていないかどうかいつもチェックし、
用水補給も注意して監視していなければならない。
石油価格の上昇があればすぐ化学薬品価格の急上昇につながって、
開発途上国ではその影響をもろに受けてしまうことになる。
緑の革命はまた、トラクター、コンバイン、灌漑用ポンプなど
複雑な農業機械を導入しなければならなかった。
これらの機械はよく手入れをしておくと同時に、
故障の時は熟練の技術者が必要になるが、
知っているとおり地方の農村にはそんな人材はなかなか見つからない。
しかも輸入に頼る修理部品は燃料同様コストが年々上昇し続け、
ただでさえ貧しい国にとっては、
とてもこれらの余分な費用を負担する余裕など無いのである。
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