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アメリカが中国を覇権国に仕立てる
- 2008/07/02(水) 17:37:26
これからは中国とアメリカを中心として世界が動くという話です。
アメリカが中国を覇権国に仕立てる
2008年6月28日 田中 宇
より抜粋
アメリカの外交戦略立案の奥の院である外交問題評議会(CFR)が
発行する雑誌フォーリン・アフェアーズの最新号(7−8月号)には、
G7やG8の重要さを否定する論文が掲載されている。
「今後の世界経済にとって、
アメリカと中国の"G2サミット"こそが最重要だ。
アメリカが世界経済を運営する際の最重要のパートナーは、
EUから中国に交代している面がある」と主張する、
米中関係に関するフレッド・バーグステンの論文
「対等な協力関係」(A Partnership of Equals)である。
私が解読するところ、論文は次のような趣旨だ。
現在の世界で経済超大国はアメリカ、EU(欧州)、中国の3つであり、
世界経済の運営には、米欧中の協調が必要だ。
中国は3勢力の中で今のところ最も小さいが、
最も速く成長しており、今後重要性が増す。
しかし中国は、自国が成長する前に欧米によって作られ、
欧米式のルールに立脚する現在の世界経済体制に不満があり、
経済大国として世界経済の運営責任の一部を負わされることを嫌がっている。
中国が世界経済の運営責任を負わず、
自国の利益のみを求めて動き続けると、
WTOやIMFといった世界経済機関は崩壊する。
アメリカは、責任を負わない中国を制裁しているが、成功していない。
今後は、制裁ではなく、現在の米中戦略対話を首脳級のサミットに昇格し、
今の世界経済体制に関する中国の不満についてアメリカが聞き、
中国が納得できる形に世界体制を部分的に変えつつ、
米中を基軸としたG2体制で世界経済を運営していく必要がある。
EUを加えたG3とか、
IMFが推進するG5(米中欧日サウジ)でも良いが、
基軸は米中になるべきだ、というのが論文の趣旨である。
私がよく言及する多極型の世界体制では、
アメリカ・EU・中国だけでなく、
ロシアやインド、ブラジルなどBRICが入っている。
バーグステン論文で語られている世界戦略とは全く別物であるかのように見える。
しかし論文の中で「中国は、既存の(欧米中心の)世界秩序のルールに不満であり、
独自の国際ルールを作りたいと考えている」
と述べられている部分で
「(非欧米的な)独自の国際ルール」とは、
私が見るところ、中国だけの考案物ではない。
中国は、ロシアやインドなど他のBRIC諸国と定期的に会議を重ねながら、
既存の米英中心体制とは別の、
非米的、多極的な世界体制について検討している。
つまり、アメリカが中国とのG2の協調体制で世界運営をしていくことは、
中国の背後にいるロシアなどBRIC諸国の全体と一緒に
アメリカが世界運営をしていくという意味になる。
米中のG2とは、アメリカが「非米同盟」に入るということである。
「米が加盟した非米同盟」というのは矛盾した表現に見えるが、
実は「非米」とは「米英中心主義でないもの」のことである。
アメリカが非米同盟に「加盟」すると、
第2次大戦前にイギリスから植え付けられた米英中心型の世界戦略を捨て、
多極的な世界戦略に移行することになる。
(非米同盟は隠然としたネットワークなので、アメリカの「加盟」は象徴的な動きのみである)
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