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石油で作るコメ、切迫している日本の食糧危機 3
- 2008/06/06(金) 20:42:10
食料輸入に使えぬ膨大なドル資産
問16.日本がそんな簡単に経済破綻するでしょうか?
答.これまで破綻しなかったことが幸運ともいえます。
08年度の国の予算案では、借金の返済(国債費)が20兆円、
新しい借金は25兆円です。
返すよりも借りる方が多く、赤字は雪だるまを転がすように膨らんでゆく状況です。
国・地方の借金は総額1,000兆円に上ります(短期証券を含めて)。
現在は金利が低い(公定歩合0.5%)ので、利払いも少なくて済みますが、
金利が正常化すれば利払いだけで40兆円を超えてしまいます。
税収が53.5兆円ですから、大半を利払いに当てても借金は減りません。
すでにこの国は破産宣告待ちの状態です。
それでも「円」に信用があるのは、日本企業が強いからです。
ところが、主要なメーカーのほとんどが中国に拠点を築くなど、
日本はすっかり空洞化してしまい、
この20年で国内企業は100万社減りました。
まだ片足を残してくれている日本企業が完全に日本から撤退すれば、
円の信用は失われ、暴落します。
暴落すれば巨額の金融資産も失われます。
問17.日本は膨大なドル資産(外貨準備)をもっています。
いざとなれば外貨で食料を買い付けできるのでは?
答.ドルを持っている人と食料を必要とする人が一致すれば、ですが。
国のドル資産(8,243億ドル)の85%は
アメリカ国債(アメリカ財務省証券)の購入に充てています。
このため、もし一部でも現金化すればアメリカ国債が大暴落します。
アメリカ財務省が許すはずもなく、封鎖も辞さないでしょう。
外貨は使うに使えない死に金、といえます。
ドル資産を持っている企業や個人は、
日本で経済混乱が起きれば海外へ避難してしまうでしょう。
国内に残るのは、ドルも持たない、海外に移ることもできない、
そして円が暴落して貯金も消えた大多数の国民です。
そんな状態で食料を海外から購入することは容易なことではありません。
さらに厄介なのは、基軸通貨としてのドルの地位が揺らいでいることです。
世界中がドルを欲しがるのは、石油を買える通貨がドルだけだからです。
いわばドルは「石油兌換紙幣」なのです。
ところが二酸化炭素排出権取引市場が急成長しはじめ、
この決済通貨であるユーロが強くなることで、ドルの魅力が薄れてきました。
これまでアメリカは「世界中がドルをほしがっている」ことを逆手にとって、
借金で贅沢な生活を続けてきました。
借金を返すつもりがなかったのです。
しかし、ドルに魅力が失われれば、こんなわがままを続けられなくなります。
すると、ドルは暴落してしまいます。
問18.日本が食糧危機になったら、海外が食糧援助してくれるのでは?
答.期待したいです。
ただ、日本が混乱すると世界が大混乱します。
日本はまだまだ経済大国で、世界の8〜9%(2007年)もの経済規模を誇っています。
そんな国が混乱すれば世界中が大恐慌に陥るので、
諸外国に日本を助ける余裕があるとは思えません。
自分の国は自分で何とかする努力が必要でしょう。
問19.日本は高齢化社会で、人口が減少するのも早いと聞きます。
少ない人口なら、完全自給できるのでは?
答.人口減少は緩やかにしか進まず、
2050年になっても、まだ約1億人と推計されています。
人口が減少する前に経済混乱が起きれば、
日本の食料事情は相当に厳しいことになるでしょう。
経済混乱はいつ起きても不思議ではない状態ですから、予断を許しません。
問20.日本の企業全てが海外に逃げてしまうわけではないでしょう。
食料を輸入するくらいの技術は残るのでは?
答.確かに日本から多くの企業が逃げ出しても、
まだまだ高い技術は残るでしょう。
それでも食べていくことは容易なことではありません。
中国が台頭してきたからです。
中国やインドが工業力を獲得したことで、産業革命以来のことが起きています。
先進国がこれまで豊かでいられたのは、
工業力を独占できたので工業製品を高値で売りつけることができたからです。
しかし、いまや世界のほぼ半分の人口が工業力を獲得したので、
工業製品は「誰にでも作れる」安っぽいものになりました。
このため、工業製品は陳腐化(コモディティー化)し、
パソコンなどの最先端製品も値下がりしています。
自動車さえインド企業が30万円台で販売しようとしています。
工業製品が高値で売れる時代は、もはや終焉しつつあるといえます。
他方、中国などの新興国は、大量に食料を消費し始めています。
日本は海外での食料買い付けで負ける場面が増えました。
工業製品は安く買いたたかれ、食料は高く売りつけられる。
そんな時代に突入しています。
5年前なら「コメ10kgとパソコン1台、どちらが高いか分からない時代が来る」、
というのは冗談でしかありませんでしたが、いまは違います。
日本は工業力を大きく削られる上、
残った工業力で生産したものも安く買いたたかれ、食料は高く売りつけられます。
国内で3,000万人分の食料を生産しても、
残り9,700万人分の食料を輸入するだけの儲けを出すことは、容易なことではありません。
問21.地球温暖化は影響しますか?
答.気になるのは、アメリカがここ数十年、
極端な不作に陥っていないという幸運が続いていることです。
あまりに幸運が長すぎて、かえって不安に思えます。
世界の食料輸出国の中でも本当の意味で
輸出余力のあるのはアメリカ一国です。
アメリカで凶作が起きれば、世界的な食料危機となります。
小麦の輸出国であるはずのオーストラリアは、
7年連続の干ばつで壊滅的な打撃を受けています。
同じことがアメリカに起きれば、世界の食料事情は一変します。
新興国の需要はどんどん増していますから、食料価格の高騰に拍車がかかるでしょう。
ところで、北極や南極の氷は
海流を動かすエンジンになっているといわれています。
もし両極の氷がなくなり、海流が動かなくなれば、
偏西風や季節風なども吹かなくなるなど世界の気候が激変する恐れがあります。
また、海流が動かないと海の生態系が破壊され、水産資源が大打撃を受けるでしょう。
温暖化は食糧問題に直結するといえます。
問22.食料危機には、どんなことが起きるのでしょう?
答.まず、人は餓死する前に「餓鬼」になります。
「餓鬼道」というように、人は飢えると、食べるために何でもやります。
飢餓は、それほど苦しいものです。
水と塩だけで断食すると3日目には
水が鉛のような味になり、空腹をごまかせなくなります。
意識が冴えて苦しくて眠れず、体に力が入らず、
強い飢餓感にひたすらさいなまれます。
飢餓が起きれば、治安は吹っ飛びます。
家族が飢餓に苦しむのを見るのは耐えられないからです。
飽食に馴れたいまの日本人では、
ほんの少しの飢えの苦しみで「餓鬼」になりかねず、
暴動を食い止めるのは難しいでしょう。
恐ろしいのは「どこに行っても食べ物がない」という恐怖です。
飢餓の苦しみにこの恐怖が重なると、正常でいられません。
母親は子どものためなら、銃の脅しもききません。
食糧危機の中で治安を維持することは非常に難しいでしょう。
もし、暴動で火災が発生すれば、社会インフラが失われます。
そうなれば危機はますます深くなります。
心構えのない今の状態では、食糧危機が起きれば
「餓鬼道」がこの世に現出してしまうでしょう。
問23.本当にそんなことになるのでしょうか?
答.もし機会があれば、体調のよいときに
水と塩だけで断食を経験してみて下さい(必ずサポートする人を準備して下さい)。
水と塩だけで丸72時間過ごしてみれば、飢餓の苦しさが、おおよそ分かります。
食糧危機の恐ろしさを捉えるには、飢餓を知ることが重要です。
もし飢餓の苦しさが分かったら、
できるだけ多くの人にその苦しさを伝えて下さい。
しかしそれでもなお、暴動を起こしたり、
人を傷つけたりしてはいけない、と伝えて下さい。
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