アフリカの開発を阻害する米国の農業補助金

  • 2008/05/23(金) 14:21:22

アフリカの開発を阻害する米国の農業補助金
JanJan news より転載 2006/04/23

アフリカ諸国から20人の貿易大臣が集い、
米国に対して自国農民への輸出補助金支出をやめるよう要求した

 世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドは2001年に始まり、
その後、2003年にカンクン(メキシコ)、
2004年にジュネーブ(スイス)、
2005年に香港でそれぞれ閣僚会議が行なわれたが、
アフリカ諸国の望むような進展は得られなかった。

他方、欧州連合(EU)も、補助金削減問題に取り組むよう米国に促している

EUの貿易問題担当カール・ファルケンバーグ氏は、
EU諸国はもはや生産拡大のための補助金は支出しておらず、
より少なく質の高い商品を生み出すための補助金だと説明している。

 しかし、このEUの補助金についても、
自ら補助金を出せないアフリカ諸国にとっては
やはり脅威であることに変わりはない、との批判もある。

 オックスファムによれば、1999年から2005年7月にかけて、
米国の綿農家は計180億ドル以上の補助金を受け取った。

同時期の綿の市場価格は計233.9億ドルであったから、
綿農家は価格の86%にも上る補助金を受け取っていた計算になる。


 他方、アフリカ諸国は、

[先進国の補助金支出を主原因とした]綿価格の低下により、

この2年間で、本来得られるはずの輸出収入のうち

3.5億ドル以上を損したと見られている


もうひとつには、

先進国が途上国に対して関税の引き下げを要求している問題もある。

 たとえば、ケニアでは、日常製品にかかる関税が大幅に引き下げられた結果、
国内の牛乳工場がひとつを除いて全て閉鎖されてしまった。

そのため、2002年には、
日常製品にかかる関税を35%から60%に再び上げざるを得なくなったのである。

借金で綿産業が破たん

  • 2008/05/23(金) 14:12:14

JanJan news より転載

借金で綿産業が破たん 2006/07/11

綿植えの季節が早くも終わりに近づこうとしているコートジボワール。

だがこの国の北部の綿生産農家では、
十分な収穫を上げるために欠かせない肥料と農薬がまだ手に入らないでいる。

以前は、「肥料と農薬は信用取引で製綿会社が調達し、農家の組織に配給していた」
と製綿業の地域的な連合組織である、
サバンナ製綿会社の提携貸付担当の Dossongui Diabate氏はいう。

こうした会社は綿のシーズンの最後に、
収穫された綿花に支払う価格から肥料と農薬の費用を差し引いて清算していた。

しかしながら、政治的に不安定な過去4年間は、
綿農家は製綿会社に収穫物をほとんど売らなかった。

「というのも綿花に対する支払いが遅いからだ」
と農業共同組合の地域連合の幹部、N.・ウアッタラ氏は指摘する。
(3000万ドルあまりが未払い)

その代わりに、
農家はばかげた価格でも現金払いしてくれる
国内か近隣諸国に綿花を売った。


綿農家のこのような変化を受け、
製綿会社は配給した肥料や農薬に対する支払いができなくなっている」
とウアッタラ氏はIPSの取材に応じて語った。

綿生産農家は21万8000トンの綿花を1トン当たりおよそ200ドルで、
現金でマリやブルキナファソへ売った。

国内の会社へは1トン360ドルで8万2000トンしか売っていない。

「この国内への高価格が製綿会社の借金につながった」
とDiabateはIPSとのインタビューで語った。

肥料と農薬の販売業者は、
今年の綿花の収穫用の肥料と農薬を供給する前に、
2005・2006年のシーズンに負担した額の支払いを求めている。

この国の製綿会社5社のうち、
提携している生産者に肥料と農薬を5月以来なんとか配給しているのは1社だけである。


綿価格の世界的低下で米作に移行する農民

  • 2008/05/23(金) 13:56:33

コートジボワール、綿価格の世界的低下で米作に移行する農民
JanJan news より転載  2006/02/11

商品作物である綿の価格低下とコメ輸入量の激減により、
コートジボワールの農民たちは生存のため、コメ栽培への移行をはじめている。

 同国の農民を悩ます2つの背景がある。
ひとつは、2002年9月から続く内戦である。
現在も同国北部は反乱軍に占領されている。

 もうひとつは、西側諸国による補助金により、
綿の価格が世界的に低下しているということだ。


特に米国産綿の競争力は補助金によって支えられている部分が大きい。

オックスファムによれば、1999年8月から2005年7月までの間に
米国の綿生産者に支払われた政府補助金は180億ドルにも上る。

同期間に米国が生産した綿の総価格は234億ドルであるから、
そのうち補助金が86%も占めていることになる。

 昨年12月に香港で開かれたWTO(世界貿易機関)閣僚会議では、
ベナン・ブルキナファソ・マリ・チャドなどの綿生産国から、
先進国が自国の綿生産者に支出している補助金を
2009年までに全廃するよう要求が出されていたが、
2013年までに補助金をいくらか削減するという弱い約束しかなされなかった。

 そこで、コートジボワールの農民たちは、綿生産をあきらめ、
GTZ(ドイツ技術協力公社)の支援を得ながら米作に取り組み始めている。

雑草取りは手作業で行なわれ、
脱穀・収穫のための近代的な機械はいまだ存在しないなど困難も多いが、
年2回収穫できるコメは、日々の食べるものにすら困っている農民にとっては
ありがたい作物である。

GTZは、水利関係の補修、作業場・脱穀所の建設などの支援を行ない、
主に貧しい北部地域において、3000ヘクタール以上の農地をすでに復活させている。

 もちろん、持続可能な米作の実現に向けてはまだまだ課題も多い。

サバンナでの干ばつ、山間部の土壌浸食、雑草の繁殖、
種苗供給の不安定さなど様々である。

また、全国農業研究センターのアスマネ・コナテ氏によると、
米作に関する政府の政策が不十分であること、
生産者間での調整メカニズムがないことも問題であるという。

大量の農産物の安値輸出を可能にする補助金

  • 2008/05/23(金) 12:52:32

綿で考えてみましょう。
国際価格が300円とします。
途上国は綿が300円で売れると考えて綿を栽培します。
もし自由貿易を唱えるアメリカがこの途上国に
200円で綿を輸出したらどうなるでしょうか?
綿農家はつぶれてしまい、他の作物に転作するしかないでしょう。
アメリカの農家は、300円もしているのに
200円で輸出することはありません。
ところがアメリカ政府が補助金を使って
400円で農家から綿を買い上げたとしましょう。
売ってしまった綿がどうなろうと農家の知ったことではありません。
アメリカ政府が200円で途上国に売ろうが。


農業情報研究所より転載


大量の農産物の安値輸出を可能にする補助金を温存する一方で

途上国には一層の市場開放を迫る

こんなことを途上国が受け入れるはずがない。

そんなことになれば、

途上国は食料自給力をますます削がれ

食料品価格の世界的高騰による現在の食料危機も深まるだけだ

フランスのバルニエ農相は、食料需要の増加への対応として、
アフリカやラテンアメリカは
EUの共通農業政策(CAP)の独自版を採用すべきだと言う。

フィナンシャル・タイムズ紙によれば、
CAP批判者は食料価格高騰と不足の脅威に
農産物貿易の自由化で備えよと言うが、
バルニエ農相は、途上国は、逆に、ヨーロッパに倣い、
開発援助を自給的地域農業ブロックの形成に振り向けるべきだと言う。

彼によれば、
「我々がいま世界で目撃していることは行き過ぎた自由主義の結果である」、

食を市場の慈悲に委ねることはできない

公共政策、介入と安定化の手段が必要だ」


「CAPがいいモデルだ。
それは、自身を養うために生産することを可能にする政策だ。

西アフリカ、東アフリカ、ラテン・アメリカ、地中海南岸、
すべてが地域共通農業政策を必要としている」。

EUは、これら地域のCAP採用を助ける資金とノウハウを提供する。

貧しい国は、自身を養う前に輸出用の換金作物の栽培に走るべきでない


今後5年間に認める3000億ドルの支出

  • 2008/05/23(金) 12:25:00

農業情報研究所より転載

なお、議会採択法案が今後5年間に認める3000億ドルの支出の
大まかな内訳は次のとおり。

 ・フードスタンプ及びその他の国内栄養プログラム(国内食料・栄養援助):2000億ドル(66%)

 ・米、小麦、トウモロコシ、大豆、綿花、その他作物補助金:430億ドル(14%)

 ・土壌・環境保全のための休耕プログラム:270億ドル(9%)

 ・作物保険:230億ドル(8%)

 ・外国食料援助:2億ドル

穀物の高騰によって農家は儲かっています。
農家の票目当てに、議会はさらに
農家を儲けさせる(さらに税金を増やす)法案を可決します。
ブッシュはこの法案に反対です。



米国・ブッシュ大統領が13日、議会が8日に合意した新農業法案を拒否、
現在の農業法を1年間延長適用すると発表した。

 大統領声明は、拒否の理由を次のように説明する。

米国農業経済は絶好調で、いまこそ補助の対象を改善し、真の改革を進めるべきときだ
農業所得は今年、この10年の平均を50%も超えると予想される。
それにもかかわらず、議会は、年に150万ドル(1億5700万円)も稼ぐ
農家の所得を補助することを米国納税者に求める。
農業所得が記録的なこのときにそうすることは、
無責任であり、必要な農業プログラムへの米国人の支持を危うくする。

 作物価格は昨年来、平均して20%上昇した。
それでも、議会は、大部分の作物の支払レートを引き上げ、
価格が非常に高いときにさえ発動できる
新たな補助金を創設することを望んでいる。
法案は、作物が後に高価格で売られるときにさえ
補助金を集めるやり方を止めることに失敗している。
食料危機の真っ最中、食料援助を緊急利用に振り向ける我々の能力も制限している。
政府の[環境]保全の提案も値切っている。

貿易歪曲的補助金を増やすことで、
法案は外国市場を米国農産物に開放させる我々の能力も削いでいる。
国内消費者に対しては高い砂糖価格を保ち、
納税者には一握りの砂糖生産者の補助をさせる
とんでもない新たな砂糖補助プログラム(注)も作り出した。」

 これは、法案を支持できない理由のほんの一部だ。
こんな法案なら、米国農業と米国納税者にとって、現行法の方がまだましだと言う。 

 (注)米国内で使用される砂糖の85%は米国産でなければならない。
余った米国砂糖はエタノールに加工される。


ビデオが詳しい。
世界を動かす砂糖産業(前編) さとうきび農場の奴隷たち

世界を動かす砂糖産業(後編) 肥満を招く甘い誘い

アメリカの砂糖産業の保護は奴隷制度の遺物です。
アメリカ国民は、外国産に比べて何倍もする高い砂糖を買わされています。
これは農家を保護する目的ではなく、
ほんの一握りの砂糖産業の資本家を潤すためです。
砂糖産業は政治家に多額の政治献金を続けています。



「食糧危機」の本当の原因

  • 2008/05/23(金) 11:33:51

池田信夫 blogより転載  2008-04-18

今月から、小麦の政府売渡価格が30%引き上げられ、
パンやうどんなどの値上げが続いている。

この説明として、農水省は「国際的な穀物価格の高騰が原因だ」と説明し、
御用評論家は「こういうこともあるから、食糧自給率の引き上げが必要だ」と言っているが、
これは本当だろうか。

農水省のホームページによれば、
値上げ後の政府売渡価格は銘柄平均で69,120円/tである。

この理由として、小麦の国際価格が
「本年2月には10ドル/ブッシェルを超えて史上最高値を更新するなど、
政府買付価格は大幅に上昇している」と書かれているが、
ブッシェルというのは約27kgだから、
10ドル/ブッシェルというのはトンあたりに換算すると約37,000円。

政府は国際相場の2倍近い価格で売っていることになる

それでも食料安定供給特別会計が逆鞘になったのは、
この原価に25%の関税と、
マークアップ(麦等輸入納付金)など約19,000円/tを乗せるためだ(農水省資料)。

これによって政府買入価格は65,250円/tになるから、
3月までの政府売渡価格53,270円/tを上回る。
これが値上げの理由だ。

他方、国産小麦の落札価格は銘柄平均で約43,000円と、輸入小麦を下回った。

これは割安に見えるが、実は約100%の補助金を受けているので、
原価は国際相場の2.5倍だ。


この補助金の原資は、上の麦等輸入納付金だ。

つまり国内農家の保護のため、
輸入小麦から関税と上納金を取って国内農家に補填していることが、
コストアップの原因だ。

要するに今回の政府売渡価格の値上げの原因は、
「自給率」を高めるための農業補助金の原資が不足したからなのだ。

したがって小麦を安定して低価格で供給するのに必要なのは
「食糧安全保障政策」なんかではない。

関税と農業補助金を廃止して輸入を自由化すれば、小麦の価格は半分になる


同じような問題は、国際的な「食糧危機」についても指摘されている。

小麦の価格は昨年77%上昇し、米の価格は今年に入って2.4倍にもなった(図)。

この原因は中国やインドの食料需要の増加だといわれるが、
米の異常な暴騰は輸出国が数量割り当てを実施したためだ。
トウモロコシが1.5倍になったのは、
欧米諸国がバイオエタノールの増産を決めたことが原因だ。

だから、この問題を解決するのに必要なのは、
熱帯雨林を破壊してCO2を倍増させるバイオエタノールの生産をやめ、
穀物価格の安い時期に欧米の農家を保護するために設けられた
輸出補助金などの農業保護を廃止して
穀物価格を引き下げることだ
、とEconomist誌は指摘している。

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安い小麦のほうがよいと、農業保護を廃止して自由貿易を唱えるのは危険な考えです。
アメリカの大豆不作事件を忘れてはいけません。
このときアメリカは大豆の全面輸出禁止措置を取ったのです。
自由貿易は市場主義の考えですが、公正な市場を前提としています。
何度も言いますが、この世に公正な市場というものはありません。
「神の見えざる手」はないのです。
「新世界秩序の隠された手」で世界が動いているのです。
次の記事で、アメリカがやっている農業保護の目的を読めば、
納得できると思います。