2008年07月/ 06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月

スポンサードリンク

2008.05.27 (Tue)

米国が世界の工場になる日 3

graph1.jpg


hyo1.jpg


ドル独歩安、米国内の需要減が短期的だったとしても、
今後も、新興国地域での経済成長は長期的に続いていく可能性が高い。

日本企業は発想の転換を迫られているのだろう。

そもそも米国は、
化学原料や燃料が低コストで調達しやすいという生産拠点としての優位性を持っている。

新興国地域のうち、特に中南米に極めて近いことも大きい。

それだけに、“便利”な輸出拠点としてさらに注目されても不思議ではないだろう。

17:11  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.27 (Tue)

米国が世界の工場になる日 2

日本企業の輸出が増える背景には、
米国の需要が減少して余剰分が国外に回りやすくなったことがある。
それに、「ドル独歩安」が輸出にドライブをかけている構図だ。

ドル安には依然として歯止めがかからない。
昨年のサブプライム問題によって下落に拍車がかかり、
対ユーロだけではなく、カナダドル、オーストラリアドル、
南アフリカ・ランド、ブラジル・レアルなどを見ると、

6年前の半分近くに価値が低下した。

円に対しても、大きく下落した。

「市場」としか見られなかった

ドル安が進むほど、米国で生産した製品を輸出した場合
米国製品は海外で割安となる。

これを逆手に取って、米国からの輸出を拡大するチャンスと見る動きがあるわけだ。

 「ドル安は日本企業全体で言えば減益要因になるが、
ドルで稼いだ利益をドルで再投資していけば、
ドル安は逆にメリットとなる」。

米国の経済情勢に詳しい第一生命経済研究所の桂畑誠治・主任エコノミストはこう話す。

日本企業が今後、米国を“世界の工場”として利用する動きはさらに増えそうだ


三浦工業の高橋社長は力説する。
「この時が来るのを待っていた。
従来はカナダの工場で生産して米国に製品を輸出するのが当たり前だったが、
カナダドルが最近は対ドルで1.6倍に急上昇し、
カナダからの輸出では採算が合わなくなった。
この状態は簡単には戻らないだろうから、
ドル安の今は米国に投資する絶好のチャンスと見ている」。

米国内の需要に応えようと、現地生産が拡大している自動車産業でも、
販路を新たに海外に求める動きがある。

ホンダはSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)の「パイロット」を
今秋からロシアに輸出する方針だ。
ロシアでのSUVの需要に対し、同社で唯一SUVを生産する米国工場が対応した。

三菱自動車もこの秋に、スポーツカー「エクリプス」を年間1000台、
中国に輸出する計画を立てている。
米国での販売が思わしくないために、
需要が見込める中国へ輸出することになった。

他の自動車メーカーも米国から新興国地域への輸出を検討しているもようだ。

日本市場に依存しがちな食品メーカーさえも米国発の輸出を探っている。

ハウス食品はニュージャージー州で生産する豆腐について、
欧州への輸出の検討を始めた。
宝酒造はカリフォルニア州で生産する日本酒の輸出を、
自社の成長戦略の中核に位置づけている。

実はこうした輸出が拡大していく動きは、日本企業に限ったことではなく、
米国全体で進行する“潮流”とも言うべきものだ


米製造業も輸出で好業績に

日経ビジネスのインタビューに対して、
米ゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長はこう話していた。

 「このままドル安が続くと、
いずれ米国は低コストの輸出国に転じるかもしれません。
弱いドルの下、世界中にどんどん輸出するような国になるかもしれません

17:04  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.27 (Tue)

米国が世界の工場になる日 1

米国が世界の工場になる日
信越化学、コマツ…新興国需要・ドル安で輸出拠点に
NBonlineトップ 2008年5月27日より転載

zu1.jpg


「サブプライム問題の影響はまだ製造業にはあまり及んでいないが、
“ボディーブロー”のように、じわじわと効いてくるに違いない…」

こんなボヤキが、日本のメーカーからよく聞かれるようになった。

米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に
端を発する景気減速の影響がどこまで及ぶのか。
メーカー関係者は今も戦々恐々としている。

だが一方、米国の景気減速を逆手に取り、
米国を輸出拠点としてうまく利用し始めるメーカーも出てきた。


稼いだドルを米国に再投資して、輸出を拡大していく。
そこには米景気の減速とは別の風景が広がっている。

信越化学は中東・アフリカへ
住宅建材などに使う塩化ビニール樹脂で、
世界のトップシェアを握る信越化学工業は、
米国からの製品輸出を本格化している会社の1つだ。

市況変動の影響を受けやすい塩ビと
半導体向けシリコンウエハーを事業の柱にしながら、
同社は9期連続の経常増益を実現した。
要因としては、米国事業が失速しなかったことが大きい。

2006年までは年間200万戸規模だった米住宅着工件数は、
今年3月、サブプライム問題が表面化した後では
最悪の年率換算95万戸と大幅にペースダウン。

信越化学と米国で競合する
ジョージア・ガルフやウエストレイクといった米塩ビ大手は、
軒並み大幅減益や赤字転落で苦境に喘いでいる。

しかし、信越化学の米塩ビ製造子会社であるシンテックは、
米国外への輸出が寄与して、昨年と同じように工場のフル操業を続ける。

工場の所在地である日本と欧州を除けば、
米国からの輸出先は全世界に広がっており、
とりわけ中近東やアフリカへの販売が好調。
輸出はさらに拡大する見通しだ。

実はクラレも、ガソリンタンクや食品包装の素材「エバール」樹脂について、
米国からメキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリなどへの
輸出を昨年から本格的に始めた。

化学メーカーでは、住友ベークライトも、
コネティカット州やミシガン州などにある工場からの
自動車向けフェノール樹脂の輸出を拡大していく。

こうした動きは、化学メーカーだけではなく、
建設機械メーカー、自動車メーカー、食品メーカーなど幅広い業種に広がっている。

16:52  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.06 (Tue)

経済低迷の米国、「質屋」が活況

【5月5日 AFP】

サブプライムローン問題で経済が低迷している米国では、
大半の業界が苦境にあえぐ中、質屋が大繁盛している。

 質屋には今日も、家電や宝石類を持ち込む人がひっきりなしに訪れる。

「お客さんは増える一方」と、
メリーランド州ボルチモアで質屋を営むリック・ススマンさんは言う。
1919年開業の同州で最も歴史の古いこの店には、
1日平均100人が来店するという。

「経済が苦境に陥ると、低所得者層に加えて中流階級の人々も質入れに来るんです」

 利率は州によって異なる。
例えば、ワシントンD.C.では5%だが、メリーランド州では20%だ。

 全米質屋連盟の調べでは、1回あたりの平均借入額は60ドル(約6000円)。

家賃のほか、原油高の影響で記録的な値上がりを続ける
ガソリン代や光熱費をやりくりするための
「当座のお金」を必要としている人が大半なのだという。

 金価格の高騰で、ゴールドジュエリーを持ち込む人も増えている。
24金の1オンスあたりの価格は
3月に1000ドル(約10万円)を超え、史上最高値を記録した。

 だが、「質流れした金」は高額のため、何か月も買い手がつかないことも多い。

ある質屋は、そういったゴールドジュエリーがある程度集まったら、
溶かして貴金属として売るつもりだ、と語った。

 別の質屋によると、歯にかぶせた金を持ち込む人もいるという。

個人消費が活発なのは、BRICsでしょうか。
ロシアは原油高騰(とうとう120ドルになりました)のおかげで、国民は消費三昧です。
インドも中産階級が増えています。
中国は株が半値まで暴落した影響がありますが、オリンピック景気があります。
ブラジルは、食糧、原油の資源大国になりました。
アマゾン川の水管理をうまくやれば、さらに資源大国となります。

アメリカの経済はこのまま低迷を続けるのでしょうか?
福田さんはロシアと中国と仲良くしようとしています。

11:52  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.02 (Fri)

2007年、2008年アメロ硬貨

2007年製アメロ

UNA 2007 1000 Ameros, 24K Gold,
una_1000a_2007_pr_tn.jpg


UNA 2007 500 Ameros, 24K Gold,
una_500a_2007_pr_tn.jpg


UNA 2007 100 Ameros, Silver
una_100a_2007_pr_tn.jpg


UNA 2007 50 Ameros, Silver
una_50a_2007_pr_tn.jpg


UNA 2007 25 Ameros, Silver
una_25a_2007_pr_tn.jpg


UNA 2007 20 Ameros, Copper
UNA 2007 10 Ameros, Copper
UNA 2007 5 Ameros, Copper,
UNA 2007 2 Ameros, Copper

UNA 2007 1 Amero, Copper
una_1a_2007_pr_tn.jpg


2008年製アメロ

UNA 2008 1000 Ameros, 24K Gold,
Your Price $1,375.00
1375ドルで売り出しています。

una_1000a_2008_ms_tn.jpg


こちらは売り切れです。
una_1000a_2008_pr_tn.jpg


その他の写真は
http://www.dc-coin.com/index.asp?Category=8&PageAction=VIEWCATS
14:23  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.01 (Thu)

コーン、小麦、大豆、金の価格推移

シカゴ コーン  期近 週足  期間:2005-04-03 〜 2008-04-20
 期間最高値:616(2008-04-09)   期間最安値:185.75(2005-11-30)
162487325_convert_20080501191349.png


シカゴ小麦  期近 週足  期間:2005-04-03 〜 2008-04-20
 期間最高値:1334.5(2008-02-27)   期間最安値:292.5(2005-12-09)
438414809_convert_20080501190304.png


シカゴ 大豆  期近 週足  期間:2005-04-03 〜 2008-04-20
 期間最高値:1571(2008-03-03)   期間最安値:526.5(2006
1129766352_convert_20080501191754.png


NY 金  期近 週足  期間:2005-04-03 〜 2008-04-20
 期間最高値:1014.6(2008-03-17)   期間最安値:413.2(2005-05-31)
613781433_convert_20080501192851.png


http://www.orionkoeki.co.jp/futures/chart/index.phpより転載

19:36  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.05.01 (Thu)

住宅関連ローン・証券の総額は23兆2100億ドル

円ドル人民元「サブプライム危機の真の罪」 より転載 2008.4.19 19:39

米住宅バブル崩壊がドル安と金融不安をひき起こし、
「外国人投資家」がそそくさと日本の株式まで売り逃げる。

それだけで済むならまだよい。
米国の株式市場が落ち着くのを待てばよいからだ。

 ところが米バブル崩壊の余波はじわじわと
「実物」におよび、世界の消費量を直撃する。

 最たる例が石油、穀物価格の高騰である。


「中国など新興国需要の高まり」だけでは
昨年8月のサブプライム危機勃発(ぼつぱつ)後の
石油価格急騰を説明できない。

米住宅ローン関連証券などに投資してきたアラブ産油国など
世界の大口投資家が避難場所として
米国の石油や穀物の先物市場に資金を振り向けている


 米コロンビア大学のスティグリッツ教授によれば、
米国はこれまで約6年間、住宅価格の値上がり分を担保にした融資などで、
年間8500億〜9000億ドルもの個人消費が上積みされてきた。

資本が不足している米国はこれらの資金需要膨張分の大半を外から持ってきた。

住宅ブームにわいている間は証券市場をにぎわせたが、
とてつもない資金がニューヨークの金融機関の証券口座から移動したとき、
余剰資金が世界の物価を決めてしまう事態になった。

 住宅バブル崩壊で消費需要がはげ落ちると、景気は後退する。
すると石油や穀物の需要も減るから価格が下がる、
というのが経済学の常識だが、通用しない。

 国際通貨基金(IMF)の報告によれば、
住宅関連ローン・証券の総額は2008年3月時点で
23兆2100億ドルに上り、
これだけでも住宅ブームが始まった2001年の
米国内総生産(GDP)の2倍以上に上る。

この余剰資金はさらに先物市場に流れる巨大な予備軍になっている。

米証券市場不安がある限り、国際商品先物に投じた資金は減らないし、
国際商品市場への投機はまだ延々と続く可能性がある。

 需要と供給という「神の見えざる手」により価格が決まる
という考え方が現代経済学の主流だが、「神」は行方不明。

神を連れ戻すためには、資産を担保にした
証券や商品の将来の値上がりを前提にして、
融資したり投資する米国型金融市場の異常さを正さなければなるまい。

 残念なことに、世界はそれよりも、
米金融市場の安定回復だけに目を奪われ、
破(は)綻(たん)しかけた金融機関を救済する原資となる
ドルを買い支えるのに汲々(きゅうきゅう)としているだけである。

13:14  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.22 (Sat)

大豆、小麦、コーンの価格推移

シカゴ小麦  期近 週足  期間:2005-02-27 〜 2008-03-16
 期間最高値:1334.5(2008-02-27)   期間最安値:292.5(2005-12-09)
1862568787_convert_20080322142154.png


シカゴ 大豆  期近 週足  期間:2005-02-27 〜 2008-03-16
  期間最高値:1571(2008-03-03)   期間最安値:526.5(2006-09-12)
596390618_convert_20080322142558.png


シカゴ コーン  期近 週足  期間:2005-02-27 〜 2008-03-16
  期間最高値:572(2008-03-11)   期間最安値:185.75(2005-11-30)

1306522063_convert_20080322142855.png


http://www.orionkoeki.co.jp/futures/chart/index.phpより転載
14:31  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.22 (Sat)

南カリフォルニアのテント・シティ

ビデオです。
Southern California Shanty Town / Tent City
http://www.youtube.com/watch?v=jmeHiFZUWtE

大恐慌以来、このような光景はアメリカで見たことがなかった。
2008年。
住宅バブルが破裂すると
南カリフォルニアにテント・シティができた。
住民は350人。
・・・・・・

Tent cities spring up in LA
http://www.youtube.com/watch?v=CnnOOo6tRs8
11:35  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.18 (Tue)

ドルの崩壊が近い 2

▼日米欧の外側で破れそうなドル覇権

ドルが大幅下落しても、ドルに代わる基軸通貨(経済覇権)の重荷は、
ユーロも円も引き受けたくない。

日本は、覇権を持つことを嫌って対米従属に固執してきた。
EUは、欧州周辺の地域覇権にはなるつもりがあるが、
世界覇権にはなりたくない。重すぎる。

日本は、円の国際化には一貫して消極的だった。
EUは、ユーロが欧州圏から遠い場所での決済に使われることを望んでいない。

米欧日(G7、先進国)が世界の中心である限り、
ドルがいくら下がっても、基本的なドルの単独覇権には揺るぎがない。

だが、G7以外の世界の状況を見ると、
ひょっとするとドルの単独覇権が
揺らぐかもしれない事態が起き始めている。

その一つは、以前の記事で書いたように、中東大戦争が起きた場合、
イスラエルを支援するアメリカに打撃を与える目的で、
アラブ産油国(GCC)が、
今は何とか続けている為替のドル連動(ペッグ)をやめ、
同時にOPECが石油の非ドル通貨建て販売を増やし、

ドル建て販売を縮小する可能性である。

GCC、イラン、ロシア、ベネズエラなど、産油国の多くは、
反米・非米的な国々である。
そして、先物相場の動向から見ると、原油は今後もかなり長い間、
1バレル100ドル以上の水準を維持しそうである。

原油を100ドルで計算した場合、
産油国の埋蔵石油の総額は104兆ドルになる。
この額は、世界中の上場株価の総額と、
債券の発行残高総額の合計とほぼ等しい。

このうち48兆ドル分が、GCC諸国の地下にある。
OPEC全体では92兆ドル分である。
年ベースでは、産油国は毎年総額で2兆ドル分の石油を産出している。

これだけの資産があり、しかもドルは下落して
使いものにならなくなっていくとしたら、
GCCやOPECの諸国は、いつまでもドルを
自国通貨の価値を計る道具として借りておく必要はない。

石油の埋蔵資産、もしくは売った石油の代金の現金資産を背景に、
自分たちの通貨に自前の価値を持たせた方が得策である。

従来のGCCは、国家の安全保障を
アメリカの軍事力に頼っていたのでドルペッグは意味があったが、
アメリカがイラク占領に失敗して中東からの撤退に向かい、
追い詰められたイスラエルが中東大戦争を起こしそうな中で、
GCCは考え方を変えつつある。

▼チベット騒乱と中国のドル離れ

もう一つのドルペッグ大国である中国では、
先週からチベットで騒乱(自治要求運動)が起きている。

中国は今夏の北京オリンピックを成功させ、
欧米中心の国際社会の中で
大国として認めてもらおうとする戦略をとっているが、
チベット人は北京五輪の5カ月前という今のタイミングで騒乱を起こし、
欧米日にもともと多かった反中国的な世論を喚起して、
欧米を五輪ボイコットまで引っ張っていこうとしている。

チベット人による独立・自治拡大要求の運動は、
中国共産党が政権を取った直後の1950年代から、
冷戦の一環として米英の諜報機関が亡命チベット人を支援して持続させている、
米英の諜報作戦でもある。

その歴史から考えて、今回の騒乱も、
北京五輪を成功させて大国になっていこうとする中国政府の戦略を壊そうとする、
米英諜報機関の支援・扇動を受けて行われている可能性が大きい。

(アメリカでは「多極主義者」と「米英中心主義者」が
暗闘しているという私独自の図式から見ると、
五輪の選定会で北京を勝たせたのは多極主義者であり、
五輪を潰すために「これが最後のチャンスだ」と言って
チベット人の運動を扇動したのは米英中心主義者である)

チベットの騒乱が今後どこまで拡大するかわからないが、
もし国際的な五輪ボイコットに発展した場合、
中国は面子を激しく潰され、絶望する。

すでに中国のテレビでは、チベット族の暴徒が、
ラサの漢民族の商店を破壊する映像が繰り返し放映され
「勤勉な漢民族をねたむ一部のチベット族が暴動を起こしている」という図式が、
中国人の大半を占める漢民族の頭の中にインプットされている。
騒乱での死者の多くも、チベット族に殺された漢族であるとされている。

やがて中国の世論は
米英がチベット族を扇動して暴動を起こし、北京五輪を潰そうとしている
という見方になる。

最終的に五輪がボイコットされた場合、
中国の世論は反欧米の方に傾き、
ロシアと似た反米ナショナリズムが席巻する。

従来の中国は、親欧米を保ち、欧米に認められて大国になろうとしてきた。

プーチンのロシアは、中露の安保組織である「上海協力機構」などを通じて、
中国をロシアと結託した反欧米の方向に持っていこうとしてきたが、
中国はロシアの画策には乗りたがらなかった。

しかし、チベットの騒乱が五輪失敗につながり、
中国政府が親欧米を保った大国化の戦略に見切りをつけたら、
その後の中国はロシアと結束し、反欧米の色彩を強めるだろう。


以前なら、中国とロシアが組んでも大した影響はなかったが、今は違う。

中国・ロシア・中東産油国が、世界の富のかなりの部分を握るようになり、
しかもアメリカはドル崩壊と金融危機で
急速に経済力を減退させている中で、
中露が結束し、そこにGCCとイラン、
ベネズエラなどの産油国が加勢したら、
欧米中心の世界は終わり、覇権は非米諸国の間で多極化する事態になる。

日本人の多くは中国が嫌いなので、
チベット騒乱で北京五輪が失敗したら「ざまあみろ」と思うだろう。

しかし、実はそれは自滅的な間違いである。

北京五輪の失敗は、中国をドルから自立させて、
ドルの崩壊、ひいてはアメリカの覇権崩壊を早めることにつながる。
中東大戦争が起きた場合のGCCの反応と同じで、
中国に関しても、米中政治対立が通貨のドル離れを引き起こす。

ドル崩壊でアメリカは弱体化してアジアから撤退し、
日本は唯一絶対の後ろ盾を失い、中国に頭を下げて友好国にしてもらうか、
自閉的に衰弱をしのびつつ鎖国するしかなくなる。


▼通貨の多極化

チベット騒乱が早期に下火になり、五輪開催に影響が出ない場合、
中国は親欧米を維持し、米国債を売ってドル下落に
拍車をかけるようなことはしないだろう。

中東が大戦争にならない場合も、
GCCはドルペッグを維持しようとするだろう。

しかしこれらの場合でも、ドル下落とインフレ悪化はひどくなるばかりなので
早晩、いずれ中国やGCCはドルを見限り、
自国の資産を背景に、通貨に自前の価値を持たせていくだろう。

今後のアメリカは、一時的には破綻した状況になるだろうが、
もともと国土の大きな潜在力のある国なので、
何年かすると立ち直り、近隣のカナダやメキシコとの連携を重視した
地域覇権型の国に生まれ変わっていくだろう。

イギリスの黒幕的覇権から脱出する「第2の独立」である。

ドルは破綻するので廃止し、代わりに北米共通通貨「アメロ」に
切り替える構想がある、という指摘もある。

ドルが破綻する前に、米国債が債務不履行
(紙くずに近いもの)になるかもしれない。

世界の通貨体制は、ドルの一極体制から、
ドル(アメロ)、ユーロ、GCC共通通貨、
人民元(もしくは日中基軸のアジア共通通貨)などの多極体制になる。

基軸通貨が多いと、投機的為替取引が絶えないので、国際協約をして、
新たな国際基軸通貨が作られるかもしれないが、
今はまだその辺の予測はつかない。

この時期になっても、日本が「どうしても」というなら、
太平洋をまたいでアメリカの属国であり続けることはできるかもしれない。

だが、そのころの日本は、除夜の鐘が鳴って昨年を忘れるように、
1945年8月15日に軍国主義をきれいさっぱり忘れたように、
対米従属の「戦後」を忘れ、気分を一新して
「アジア重視」になっているのではないか。
そのころには、アメリカよりアジアの方が
儲かる地域になっているだろうからである。

ドル崩壊後、世界の通貨は金本位制に戻るべきだと言う人もいるが、
それはたぶん不可能だ。

金本位制は、金の世界的な保有総量の増加率(金の採掘量)を越えて
世界が経済成長することを難しくする。

第二次大戦後、世界の通貨体制は、
表向きはドルと金を結びつけた金本位制(ブレトンウッズ体制)だったが、
実際には米当局は金とドルの結びつきを無視してドルを大増刷し
成長する世界経済に資金を供給し続けた。

その結果、1971年の金本位制破綻(ニクソンショック)に至ったが、
アメリカの金融界の急拡大は金本位制の破綻後に起きている。

私は以前から通貨の多極化を予測してきたが、
その根底には、米ブッシュ政権はどう見ても
アメリカの覇権を自滅させる動きをしており、
この動きはニクソンやレーガンといった
過去の政権の動きを踏襲しているので、
米中枢では世界の覇権体制を多極化する戦略が
以前から進行しているようだ、という分析がある。

金融危機に対し、連銀が見当違いな対策をやって
ドルを自滅させているのも、
多極化戦略の一環と考えられる。


実際にドルの崩壊が近いと感じられる今、
今後の世界の通貨体制を予測すると、
米中枢の戦略が成功してドルの覇権は失墜し、
世界の覇権は多極化し、
覇権の経済的な具現化である基軸通貨も多極化するだろう、
というのが私の読みである。

以前の記事に書いたように、覇権の多極化は、
経済成長する地域を増やすことであり、
長期的に世界経済の成長持続につながる。
多極主義者の元締めは大資本家であろう。

「アメリカの投資銀行が潰れているのに、
それがアメリカの資本家の望みだというのか」
と思う人が多いだろう。

しかし私が思うに、世界が多極化するか、
もしくは途上国の成長を抑制する傾向が強まる
過去100年の米英中心主義が維持されるか、
どちらが良いかという場合、
話は、数10年とか100年の単位である。

アメリカの金融機関がいくつか潰れ、世界が何年か不況になっても、
その間に世界の経済システムが変質し、
その後の数10年や100年間の世界経済の成長が可能なら、
そちらの方が良いということになる。
20:57  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.18 (Tue)

ドルの崩壊が近い 1

ドルの崩壊が近い
2008年3月18日  田中 宇

先週、米英のマスコミやアナリストらが、
いっせいにドル崩壊の可能性を指摘し始めた。

米ワシントンポストは3月13日に
「アメリカは巨額の貿易赤字、不況、原油高、インフレ、金融危機など、
あらゆる経済難を一挙に受け、ドルの大幅下落に直面している。
しかも、危機からどうやって脱出できるかわからない状態だ。
連銀は追加利下げしそうだが、
それによってますますドルは危機になる

という趣旨の記事を出した。

英ガーディアン紙は、3月14日の
「自己増殖する金融危機」と題する記事で
「米連銀は事態を制御できていない」
「この危機はソフトランディングできるという予測は間違いだ」
「1930年以来の巨大な金融危機になる」
「市場の混乱は今後もっとひどくなる」
「ドル安は加速し、近く先進各国の中央銀行が
ドル救済のため協調介入するだろうが、歯止めにはならない」
「相場の下落は、アメリカの不動産市場に底値が見えるまで続くが、
底が見えるのは、まだまだ先の話だ」
と指摘している。

また、英テレグラフ紙は3月14日の記事で
「インフレに苦しむアジア(中国)や中東(GCC)などは、
インフレの元凶である自国通貨の対ドル為替連動(ペッグ)を
外すことを検討しているが、ペッグが外れたら、ドルは急落する
世界的に過剰なドルが貯まっているので、
ドルはいったん急落すると、どんどん下落幅が拡大するだろう」
とするアナリストの指摘を載せている。

フィナンシャルタイムス(FT)は、
毎日のようにドルの危機を警告する記事を出している。

「債券市場は、底が抜けた感じになっている。
連銀は有効な対策を打ち出せていない」
「IMFは、先進各国政府に、最悪の事態に備えよ、
公的資金を使って国際金融危機の悪化を食い止めよ、
と要請している」
「米欧日の当局が市場介入してドルの下落を抑えるべき時がきているが、
介入で現在のドル相場を維持することはできず、
ドルの下落速度を遅くするだけだ。
(対米貿易黒字が多い日中など)アジア各国は、
自国通貨の対ドル為替の大幅切り上げを容認せざるを得なくなる
などと、一連の記事で書いている。

米AP通信は3月13日、
世界中の商人たちが、米ドルでの支払いを受け取らなくなり、
ユーロなどドル以外の通貨が好まれるようになった現状を書いている。

各国の当局は、まだドル本位制にこだわっているが、
すでに民間の商売人たちの間では、ドルは基軸通貨ではなくなっている。

米政府は以前から「強いドルが望ましい」と言い続けているが、
彼らの発言と行為は全く正反対で、
やっていることはドル安を扇動する行為の連続である。

そのためロイター通信などのマスコミも今や、
米政府高官が「強いドル」と言うたびに、
それは実は「弱いドル」のことだと考えざるを得なくなったと書いている。

ブルームバーグテレビの取材に応じた投資会社の経営者(Marc Faber)は
「ドルは紙くずになった」と宣言した。

この発言を紹介した分析者は
「G7(先進各国)がドルを買い支える話が出ているが、馬鹿げている。

米当局がドルをどんどん増刷し、どんどん利下げして、
米自身がドルを下落させている時に、
他国がいくら買い支えても、下落が止まるはずがない

と喝破している。

ドル崩壊の可能性については、私も何度か指摘してきたが、
これまでは極論とみなされてきた。
しかし今や、ドル崩壊は急速に現実の事態になりつつある。

▼債券の信用崩壊が拡大

今、アメリカの金融市場で起きていることの基本は、
昨年夏に発生したサブプライム住宅ローン債券の市場破綻
(売れ行きの急激な悪化)が、
劣後のローンであるサブプライムの市場から、
今年に入って、優良な一般の住宅ローン債券や、
商業地の不動産を担保とした債券へと感染したことである。

住宅や商業地を担保とした「不動産担保債券」はこれまで、
アメリカを中心とする国際金融界で「現金並みに安全な資産」として
保有され、売買され、融資の担保として扱われてきた。
その多くは、今も最優良格付け(AAA)を保っている。

だが、金融危機が悪化し、格付け会社がAAAと
みなした債券の中からも破綻が続出し、
格付けも信用できないという懸念が金融界に広がり、
不動産担保債券の全体が、もはや安全ではないとみなされるようになった。
これまで皆が大事に持っていたお金が、
実はタヌキが化かした葉っぱだったとわかったような状態で、
金融界のパニックは拡大した。

先週前半には、米大手投資銀行の中でも
不動産担保債券の取引を積極拡大していたベアースターンズが、
他の金融機関から担保の積み増しなど取引条件の引き締めを迫られて、
資金難に陥っているという噂が金融界に広がった。

ベアースターンズは噂を否定したが、その数日後には、
連銀と、連銀に頼まれた同業他社のJPモルガンチェースが、
ベアーに緊急融資を行う事態となり、
週末の3月16日には、JPモルガンがベアーを買収すると発表された。

買収前のベアーの株価は1株30ドル(昨年の高値は169ドル)だったが、
JPモルガンはベアーを1株わずか2ドルで買いたたいた。
事態は、火事場のたたき売りになっている。

(1998年に米ヘッジファンドLTCMが破綻して起きた金融危機の際、
連銀やゴールドマンサックスが大手の各投資銀行に、
危機回避のためLTCMを救済してくれと頼んで回った際、
ベアースターンズは「うちには関係ない」と言って協力を断った。
今回ベアーがみじめな安値身売りをさせられたのは、
98年の仕返しを受けたとも考えられる)

▼見当違いな米連銀の利下げ

同時に、融資や債券発行で資金調達し、
企業買収や金融投機によって儲けてきたヘッジファンドも、
従来は優良と思われてきたものが、投資家から危険視され、
債券価格の下落や、貸し手からの
融資担保の積み増し要求をひき起こしている。

これらはいずれも、以前は安全で価値が高いと評価されていた金融商品が、
危険で価値が低いと思われるようになったことから起きている。

問題になっている担保つき債券は種類が非常に多いので、
一つずつの債券の取引頻度が低く、取引相場で時価を決定できない。
そのため理論値で時価を決めるのだが、
その理論値算定の根拠自体が投資家から疑われ、
値段が確定できない状態だ。

無理に価格を決めようとすると、
ベアースターンズ買収のように、ものすごく安く買いたたかれる。


事態が危機から脱出するには、価格が決まらない底なしの状態が終わり
底値が見える状態になることだ。

アメリカの住宅価格の下落は今年から来年一杯ぐらいまで続きそうで、
住宅価格が落ちている間は、
危機の出発点である住宅ローン債券の底値も見えない。

このような困難はあるものの、米政府の連銀や財務省が工夫して
底値が早く見えるような策を試みることはできるはずだ。

底値が見えたら、その値段だと
債務超過で破綻する金融機関が出てくるので、
それを救済するか、倒産させるかという処理になる。

このように、事態は厳しいが対策がないわけではない。
しかし、実際に米連銀が対策として行っていることは、
救済とは言えない全く頓珍漢な行為である。
連銀が昨年末から、緊急融資の額を急速に増やし
金利を大幅に下げることを、
金融危機への対策として行っている。

これは金融機関が資金難に陥ることを防ぐ政策として行われているのだが、
金融機関が陥っているのは資金難ではなく、
担保割れなどの資産価値の下落であり、債務超過である


資金難は、資産は十分持っているのだがすぐに現金化できない時に起きる。

これは緊急融資や、融資を誘発する利下げが対策として有効だ。
しかし、資産そのものの価値が下がっているのだから、
緊急融資や利下げは解決策にならない。

潰れる直前の延命策以上の意味はない。

3月16日にベアスターンズのたたき売り的身売りが決まり、
その余波としての危機悪化が
週明け17日の世界の金融市場に広がらないように、
米連銀は17日のアジア市場が開く直前の時間帯に、
貸出金利を0・25%引き下げる発表をした。

連銀は、3月18日の定例会議では、
短期金利も大幅に再利下げすると予測されている。
連銀は、銀行の資金難解消という、
見当違いな対策にこだわる道を突き進んでいる。

当然ながら、この方向の対策をいくらやっても、大した効き目はなく、
金融危機はひどくなり続けている。

3月17日の英テレグラフ紙は、18日の利下げを先取りして
害悪にしかならない連銀の利下げ」と題する記事を出した。

▼日米欧協調介入は愚策

連銀による大幅利下げや巨額の緊急融資は、
金融危機の対策になっていないばかりでなく、
ドルという通貨の観点から見ると、ひどい害悪になっている。

連銀が金融界に巨額の短期資金を注入するほど、ドルの発行量が増加する。

米当局は、ドルを刷りすぎていることを十分自覚しており、
2006年春からドルの通貨供給量を発表しなくなった。

通貨供給量の発表を続けていたらドルの過剰発行が人々にわかり、
ドルはもっと早くから下がっていただろう。

分析者の間では、ドルの通貨供給は、
年率15%以上の早さで増えていると概算されている
(望ましい増加率は5%)。

ドルの通貨供給が増えるほど、世界はインフレになる。

ドルを避けた投資資金は商品相場に流れ込み、
石油や金や穀物の相場(すべてドル建て)が上昇する。

これに加えて連銀による利下げは、
ドルに投資した場合の利回りの低下を引き起こし、
世界の投資家はドル建ての投資を避け、米金融市場への資金流入が細る。

アメリカの投資家は自国のドル建て金融商品を売って、
ユーロや人民元の資産を買う傾向を強める。

連銀が、資金供給や利下げを加速するほど、
ドル安とインフレ激化がひどくなる。

インフレ激化を受け、欧州や豪州、中国など、世界の多くの国々が、
インフレ防止策として金利を引き上げている

ドルと他の通貨の金利差は広がり、ますますドル安になる。

欧州や日本の中央銀行が、ドルの下落を食い止めるための
協調介入を行うかもしれないという見方が出ているが、
米連銀がドル安を誘発する利下げや資金供給を加速しているときに、
日欧の当局がドル安を止めようと市場介入するとは、全く馬鹿げた話だ。

やっても効果はない。

今の為替相場は1ユーロ=1・6ドル、1ドル=95円程度だが、
先週からのドル下落の速さからすると、
今後1カ月ぐらいの間に1ユーロ=2ドル、1ドル=80円という、
今はほとんど非常識と思える水準までドル安が進んでも不思議ではない。

ドル安が進む中で、米当局が日本の当局に対し、
何らかの協力を要請してくる可能性は大きい。

世界の投資家が手放しそうな米国債を日本政府が買ってくれとか、
円売りドル買いの介入をやってくれとか、

最終的にドルや米国債の価値が大幅下落したまま元に戻らないとしたら、
日本にとって大損失になる要請である。

日本の政界では、日銀総裁人事をめぐって与野党が対立し、
総裁が決まらず、金融の政策決定に支障が出そうな事態になっている。

これはひょっとすると、日本に損をさせる
アメリカからの要請を断るための芝居として、
福田首相と小沢民主党代表が事前に談合して
演じていることではないかとも勘ぐれる。

福田と小沢は、従来の日本の基本戦略である対米従属には
未来がないと思っている点で意見が一致しており、
日本を対米従属から引き剥がしていくための
与野党大連立を、以前に画策している。
20:48  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.14 (Fri)

クレジットカードとサブプライム

デモクラシー・ナウより転載

2007年11月に米クレジットカード負債が8000億ドルに。
毎月支払いのミニマムペイメントしか払えない
クレディットカード利用者がおよそ3500万人いる。

<サブプライム問題>
損失20兆円超…米次官補が集計公表
3月4日10時23分配信 毎日新聞

米財務省のロワリー次官補(国際金融担当)は3日、
ワシントンで開かれた国際銀行家協会の総会で講演し、
低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)に絡み、
金融機関が計上した損失額がこれまでに2000億ドル
(約20兆6000億円)を超えたとの集計結果を明らかにした。

ロワリー次官補によると、この半分が米国の金融機関によるもので、
約750億ドルが欧州の金融機関、
そのほかアジアやカナダなどの金融機関にも損失が広がっているという。

次官補は「(サブプライム問題は)米国だけの問題ではない」と強調し、
「多国間での協力が必要だ」と述べた。

サブプライム問題では、これまでに経済協力開発機構(OECD)が
最終的な損失額を3000億ドルと推計していたほか、
米国の有力エコノミストらが先月、損失が4000億ドルに
達するとの共同報告を明らかにしていた。
11:01  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.14 (Fri)

裕福層に対する減税によって税収入を増やす

http://tanakanews.com/d1227voodoo.htmより転載

1980年のアメリカ大統領選挙で
レーガンとパパブッシュの2人は、
共和党内の予備選挙で大統領候補の座を争ったライバルどうしだった。
 
予備選でレーガン候補は
裕福層に対する減税によって税収入を増やす
という政策論を展開した。

裕福層は減税によって増えた実収入を株式などの投資に回し、
その金は企業の資金になって経済活動を盛んにし、
法人税やキャピタルゲイン税(株などの売買益への課税)の収入が増えるので、
結局は政府の税収増につながる、という経済理論だった。

減税は、中産階級に対して行われた場合は、
消費が増えて経済活性化につながる可能性があるが、
レーガンが想定していたのは、
もっと年収の多いいわゆる「お金持ち」に対する減税だった。

減税すればその分が投資に回るという理論は根拠がなく、
そのため対抗馬のブッシュ候補は、レーガンの経済政策を
「ブードゥー経済学」と呼んで批判した。

▼レーガノミックスは詭弁だった

だが実は、レーガンの減税を「まやかし」
と呼んだパパブッシュは正しかった。
レーガンの減税は、結局のところ税収増にはつながらなかった。

レーガン政権は
「税収が増えるので軍事費を拡大しても大丈夫だ」と主張し、
ソ連の脅威を煽るタカ派の理論をもとに、国防予算の大幅増額を行った。
このため、軍事費が増えた分だけ
アメリカの財政赤字が急拡大する結果になった。

国の借金である財政赤字の増加は、国債発行で補わねばならないが、
国債はなかなか売れなかった。

レーガン政権は必要な量の国債を何とか売ろうとしたため金利が上昇し、
1981年には国債金利は14%近くになった
(高金利だと、それだけ買いたい人が増える)。

米国債などアメリカに投資すると高利回りが見込めるということで
世界からアメリカに資金が集まり、ドル高になった。

ドル高は米企業の輸出競争力を弱め、
輸出入のバランスが崩れて貿易赤字が急拡大した。
財政赤字と貿易赤字という「双子の赤字」が経済の足を引っ張り、
アメリカは不況に陥った。

レーガンの経済政策は減税案のほか
規制緩和、政府支出の縮小(財政赤字の削減)など、
企業と投資家(サプライサイド)を優遇して
経済を活性化させようとするもので、総称して
「サプライサイド経済学」「レーガノミックス」などと呼ばれた。

規制緩和(民営化)の推進はその後、冷戦終結を機に
IMFなどによって世界中に広げられたが、減税政策は失敗し、
財政赤字も減るどころか軍事費増加で拡大した。

レーガン政権は当初
「減税の結果、財政赤字が増えることは、
いずれ財政赤字を減らすことにつながる」と主張していた。

だが、これも「減税すれば税収が増える」という理論と同様、
実証に耐えないまやかしの理論であることが明らかになった。
「レーガノミックス」は詭弁の経済理論とされて
「失敗」のレッテルが貼られた。

▼金持ちと貧乏人が同じ税率に

ここまでは、もう20年近く前の昔話である。

その後のアメリカの政権は、
共和党中道派のパパブッシュ、民主党のクリントンと続き、
財政収支は約20年後の1998年にようやく黒字化した。
だが、話はここで終わらなかった。

息子のブッシュは、2000年の
選挙期間中から減税を主張していたが、
それはクリントン政権が8年間で貯め込んだ
財政の黒字を国民に還元すべきだ、という考え方だった。

ところが大統領に就任した後に子ブッシュが行った経済政策は、
経済が不況になる中で赤字拡大策を行い、
レーガンよりもタカ派になった。

子ブッシュはレーガン同様、裕福層に対する減税を実施した。

減税の理論は、減税分が投資に回るという
レーガン時代の減税推進理論と同じだったが、
レーガン時代は裕福層の所得税を減らす代わりに
キャピタルゲイン税が増える仕掛けだったのに対し、
昨今はキャピタルゲイン税の税率も下げられているので、
税収が増えないことが最初から分かっていた。

ブッシュの減税策は、米国民の上から1%にあたる
年収100万ドル(1億円)以上の最裕福層にとって
増収幅が大きい半面、中産階級以下の人々にはほとんど恩恵がない。

減税によって最裕福層は4・4%の増収となるのに対し、
全国民の平均年収(約2万5千ドル)の人には1%の増収にしかならない。

株の配当金に対する課税をゼロにする計画もある。

米企業の株式配当総額の42%は最裕福層が受け取っている。
アメリカでは、お金持ちほど株式からの収入が多く、
全米で最も収入の多い400人の場合、
収入の7割が株の配当や売買益から出ている。

最裕福層に対する所得税率は減税によって33%になるが、
株の収入への課税の低さを勘案すると、実際の税率は20%前後になる。

一方、国民の2割を占める低所得層は税率が低いが、
社会保険料や間接税は払わねばならず、
これらの合計も20%程度になっている。

つまりアメリカでは、すでに金持ちも貧民も、同じ負担率になっている。

高所得者ほど税率が高くなる「累進性」は、
日本では不動の基本理念だが、
アメリカでは以前から共和党のタカ派が累進課税を嫌い、
均一の税率を主張していた。
ブッシュはそれを実現したことになる。

▼広がる貧富の格差

アメリカでは貧富の格差が拡大する傾向が続いている。

経済そのものは毎年数%ずつ成長しているが、
中産階級以下の人々の収入は、
1973年以来毎年0・2%ずつしか伸びていない。

貧困層(4人家族で年収1万8400ドル以下の世帯)は
2年連続で増え、今では米国民の12・1%を占めるに至っている。
米国民の15・5%が健康保険料を払えない状態で、
この比率は2001年の1年間で6%近く増えた。

これまでアメリカの活力は中産階級が支えていた。
中産階級出身の子供たちが勉強して身につけた才能と努力が、
新技術やビジネスモデルを次々と生んできた。

だが、昨今のアメリカは中産階級の収入が伸びず、
大金持ちと貧困層に二分化される傾向にある。
この傾向はアメリカを弱体化させている。

タカ派の中には、過去の統計を使って
「貧富の格差があった方が経済が成長する」と主張する人もいるが、
おそらくこれもブードゥー経済学的な詭弁だろう。

世界的に見ると、日本や韓国のように
貧富格差が少ない国の方が経済成長し、
中南米のように貧富格差が大きい国の経済は不安定になっている。
09:44  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.14 (Fri)

増税と減税の不思議

http://www.cubeny.com/catch5-1-03.htmより転載

ブッシュ大統領が7000億ドルにも及ぶ減税を実施しようと遊説する中、
ニューヨーク州では今週に入って、
突如所得税、売上税の増税案が浮上しており、
世論はブッシュ大統領の大型減税には反対する声が多いけれど、
ニューヨーク州内では増税に反対する声が圧倒的に多く、
国と地方自治体の税制は全く逆の方向に向かおうとしている状態である。

ブッシュ大統領が来年の選挙での再選を目指し、
株式投資による利益に対する無税を含む
大型減税案を景気刺激対策として打ち出しているのは
周知のことであるけれど、
今週に入って突如ニューヨーク州で浮上してきた増税案は、

財政難に苦しむニューヨークが、
予定されていた市の職員のレイオフや
ゴミの収集などのサービスの大幅カットを避けるため、
年収10万ドル以上の独身者、
年収15万ドル以上のカップルを対象とした所得税の大幅アップ、
売上税を現在の8.25%から8.65%に
引き上げることによって税収を確保するというものである。

この減税案、増税案が興味深い点は、共に「仕事を守る、クリエイトする」
ことを目的に行なわれようとしているもので、
ブッシュ大統領は7260億ドル(約87兆円)の減税を行なうことによって
140万人分の仕事をクリエイトすることを公約している。

一方のニューヨークでは、増税を行なうことによって、
予算削減によってレイオフされる予定であった1万人以上の市の職員や、
民間職員の仕事が失われずに済む、
ニューヨーク市内の30以上の消防署が
クローズされずに済むというものであるが、
州のレベルだと増税が仕事の確保に繋がり、
国のレベルだと減税が仕事を生み出す
というのはどうも納得がいかない理論である。

頭を冷して考えるまでもなく、理にかなっているのは
ニューヨーク州の増税案で、財政難の下では、
レイオフやサービス・カットによってコストを削減するか、
増税をして税収を増やすしか方策は無い訳で、
これが既にアメリカで最も高い売上税、所得税を
さらに引き上げることによって実現されることに対しては
不平、不満はあるものの、少なくとも理屈には
かなっているのは認めざるを得ない事実である。

これに対してブッシュ大統領が行なおうとしている
140万の仕事をクリエイトするための減税案は
謎に包まれたものと言わなければならない。

先ず7260億ドルの増税で140万の職業をクリエイトする
という理論を単純計算すると、1つの職業を生み出すために
約50万ドル(6000万円)の減税が必要であることになる。

現在のアメリカ人の平均的な年収が約3万7000ドル
(約440万円)であることを考えれば、
どうしてその給与の約13倍以上金額を減税して、
僅か1つ仕事がクリエイトされる計算になるのかは
全く理解に苦しむところである。

その一方で、この減税のために 教育、健康保険予算や、
NYを初めとする地方自治体への補助が大幅にカットされるため、
各機関でコスト削減のためのレイオフが相次ぎ、
益々多くの仕事が失われることは、多くの専門家が指摘することである。

極端な話が、国が大幅減税など止めてしまって、
7260億ドルの減税分の中から40億ドルを
NY市に補助金として与えてくれれば、
NY市の負債は一気に解消される訳で、
そうなればNYも増税などする必要は無い訳である。

今回のブッシュ大統領の減税案は、
彼を選挙の際に支えてくれる裕福な共和党支持者に
利益をもたらすものであるのは明らかであるけれど、
この減税案が実施されれば既に開きつつあるアメリカ国内の貧富の差が
更に大きく開くのは目に見えていることである。

90年代前半のリセッション期に、アメリカ人の友人が冗談半分で
「90年代のステイタス・シンボルはレイオフされる心配の無い職業だ!」
等と言っていたことがあるけれど、4月の時点で失業率が6%に達し、
過去3ヶ月だけで52万5000もの職が失われているアメリカが、
再びその状態になりつつあるのは
昨今ひしひしと感じられることである。

今週末のTVのニュースでは、
職を求める大勢のニューヨーカーが、
建設業組合の募集に対して4日間も徹夜で
長い行列を作っていた様子が報道されていたけれど、
これを見るまでもなく、現在アメリカ全土で安定した仕事が
何よりも求められているのは紛れもない事実である。

ことに好況期に住宅ローンを組み、ここへ来てレイオフされ、
途方にくれている人々は多いと言われ、
こうした人々は失業手当の給付期間が終わっても
仕事が探せない場合が多く、
自分達の本来の能力以下の仕事を安い給与でせざるを
得ない状況に追い込まれていることも伝えられている。

ブッシュ大統領の金持ち優遇で、
仕事を生み出す具体性に欠く減税策を見ていると、
これによって仕事がクリエイトされるとすれば、
それは恐らく億万長者の3人目の庭師や、
5人目のメイド、2人目の運転手というような
仕事なのだろうと思えてくるのが実際のところである。

エコノミックヒットマンでは世界銀行が貧しい国を搾取して
さらに貧しい国にしています。
アメリカ国内ではブッシュが貧しい階層から職を奪い
貧しい階層はさらに貧しくなっています。
この貧富の格差拡大は全世界的なものです。
09:38  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

いつまで日本が低金利を維持できるか

1152856412-thumbnail2.png

http://happy.ap.teacup.com/kabusikitousi/519.html

http://www.collectors-japan.com/nevada/content/c050715_3.htmlより転載

そして、本題です。
米国の金利が5%を越えるところまで上昇した場合、
いつまで日本が低金利を維持できるかという問題があります。

日米金利差からすれば、物凄い資金が日本から米国に流れ込みますから、
大方の予想に反して為替相場は急激な<円安>に振れることになります。
そして国債相場は急落し、金利は跳ね上がることになります。

年利5%を越える国債利回りということも十分ありえるのです。

700兆円を越える国債発行では
5%の利息なら利払いだけで35兆円にも達します。
これだけで税収が殆ど吹き飛びます。

元本の償還を入れれば税収を全て国債費に回しましても、
まだ足らないという事実上の破綻状態に陥るのです。

そんなことが起こるとしても、まだ先の話だろう?

と思っておられる方も多くいると思いますが、
一旦金利が上がり始めた場合、とても止めることなど出来ないのです。

背後に数百兆円もの<国債現物>と
数千兆円もの<国債デリバティブ>が控えているからです。

株式であれば、10億円、20億円の買いを
入れれば何とでもなりますが、
兆円単位の取引がある国債市場ではそうはいきません。

一旦動き出せば、なるようにしかならないのです。

米国金利が本格的に動き出せば、
恐ろしい破壊が一気に襲ってきます。
どこまでこの動きに金融市場が耐えることが出来るでしょうか・・・。
14:47  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

FFレートと公定歩合の逆転

1201080638-thumbnail2.png

http://www.collectors-japan.com/nevada/content/c050715_2.html
より転載

誰もが無視する異常な金利(米国)
Jul/15/2005

現在起こっています<利上げ>が如何に急激な上昇となっているか、
お分かり頂けると思います。
そして、このグラフで一つ異変が起こっていることに
気づかれる方もおられると思います。

それはFFレートと公定歩合の逆転です。

2002年までの金利の上げ下げでは必ずと言って良いほど、
<FFレート>の方が<公定歩合>を上回っていたのです。

この理由は、市場金利(FFレート)は
銀行への貸し出し金利(公定歩合)より高くて当然だからです。

公定歩合でお金を借りて、市場で運用をして利ざやを稼ぐ。これが通常の金融市場です。

そして、金融機関の経営が悪化している場合には、この利回り格差を広げ、
いわば利ざやを稼ぎやすい金利にして金融市場をコントロールしてきました。
これが中央銀行の役割の重要な役割の一つなのです。

ところが、今回の利上げ局面では、一度もこの基本機能が作用していません。

なぜなら、≪金利が逆転している≫からです。

今であれば、銀行は4.25%で中央銀行から資金を借りて、
3.25%で運用すると1%も逆ザヤになってしまうのです。

これでは誰も資金を中央銀行から借りようとしません。
結果、金融調節が出来ない異常な事態に陥っているのです。

FRBグリーンスパン議長は、今の長期金利上昇下での短期金利下落は
理解できず、謎と言っていましたが、
この謎はこの≪金利の逆転≫にある事が
グリーンスパン議長は知っているはずです。

なぜなら、このような異常な金利を作り上げた張本人が
何を隠そう、グリーンスパン議長本人だからです。

米国の利上げは今後も続きます。
その時何が起こるか?
公定歩合引き上げを止めながら、FFレートを引き上げることは不可能ですから、
ではどうなるか?

FFレートの猛烈な引き上げになります。
今でも1%の格差が生じているのです。

これを早晩解消し、更には
公定歩合・FFレートの引き上げになりますから、
常識的にはFFレートは最低でも1.5%は引き上げられ、
4.75%になることになります。

これでも公定歩合の引き上げは0.5%に留まります。

仮に、公定歩合引き上げ1%、
FFレート引き上げ2%であれば、以下のような金利になります。

FFレート 5.25%
公定歩合 5.25%
これでかなりすっきりした金利になります。

公定歩合を徐々に引き上げながら、
FFレートを一気に引き上げていき、
正常な金利に修正していくのです。

では、このような<5.25%>の金利で金融市場に何が起こるでしょうか?

国債・社債の暴落が起こります。

10年国債であれば、利回りは現在の4%から最低でも6%へ上昇しますから、
今から20%以上の価格下落を見せるはずです。

信用度の低いジャンク債の利回りなら、国債が6%以上になるのであれば、
上乗せ幅は10%以上はあってよいことになりますから、
話題のGMC債の中には利回り20%を越える
物凄い利回りになる債券も出てくるでしょう。

そして、この金利の上昇でより大きな影響を受けるのは
<景気悪化に苦しむヨーロッパ>と
<財政赤字が膨らむ日本>です。

ユーロ諸国のGDP成長率は1.3%に急低下してきており
ドイツ・イタリアなどは金利を引き下げて
景気刺激策をとるべきであるとの認識が高くなってきており、
欧州議会では公然とユーロを批判し、
イタリアリラに戻るべきであると述べて
議会から退場させられたイタリアの議員も出てきています。

米国が利上げをする中、ユーロが利下げをすれば、
金利差が拡大し、世界の資金はユーロからドルに流れ、
結果ユーロは暴落することになります。

ましてや、米国の財政赤字幅が当初予算より
1,000億ドル(11兆円)も減少し、
3,250億ドル(36兆円)にまで縮小する
との見通しを米議会予算局が公表しているのです。

多くのユーロ諸国は財政赤字を粉飾してユーロ加盟条件を満たしてきましたが、
今そのつけが出てきてしまっており、景気が悪いからと言って、
財政赤字を増やす政策手段を取れない事態に陥っているのです。

このままいけば米国は財政黒字に転換する可能性すらあり、
反対にユーロ諸国は財政赤字で身動きが取れない
という最悪の事態に追い込まれます。

そしてこれがイタリアのユーロ脱退運動に火をつけ、
更にはドイツにも飛び火すれば、
ユーロの崩壊まで一気に突き進んでいくことは必至です。

そのときユーロは暴落し市場から消えていき、ドルは暴騰することになるでしょう。
そして日本です。
もっと恐ろしい事態に陥ることになります。
14:40  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

小麦先物最高値を更新

cbot_h2-thumbnail2_convert_20080313111536.gif


小麦の先物価格が最高値を更新…シカゴ商品取引所
2月9日13時26分配信 読売新聞

8日のシカゴ商品取引所で、小麦の先物の3月渡し価格の終値が、
前日比0・30ドル高の1ブッシェル(約27キロ・グラム)
=10・93ドルと過去最高値を更新した。

米農務省が同日発表した小麦在庫の推計値が
約60年ぶりの低水準となり、
市場で需給の逼迫(ひっぱく)感が広がり、買いが優勢となった。

世界的な小麦の不作が背景にある。
様々な食品の材料となる小麦の多くを輸入に頼る日本でも、
製品の値上がりが懸念される。
11:18  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

ファンドマネーが食を操る 3

大豊作なのに値は上がった

■9月12日東京。
世界の穀物関係者が、アメリカ政府の発表を固唾をのんで見守っていた。
世界最大のトウモロコシ生産国アメリカの
収穫予想値が発表されるからである。

豊田通商の古米さんは、現地の視察からかつてない豊作になると期待していた。
豊作になると供給が増え、価格が下がるのがこれまでの常識だからである。

案の定、発表された結果は史上最高の大豊作だった。

高値が続く中、久しぶりに安く買えるチャンスと見た。
前回の終値は、1ブッシェル3ドル41セント。

古米
「今のところは、トウモロコシは安値開始となるだろうね。
3ドル30セントを下回ることも十分期待ができるね」

古米さんはさっそく取引先の飼料会社・日和産業の中橋さんに電話をかけた。
日和産業は豊田通商を通じてトウモロコシを仕入れている。
この日、値が下がるのをとらえて大量に買おうと考えていた。

古米
「オープニング(開始)のときになるべく多く取ることをお勧めできますね」
10セント安く買えば、1ヶ月あたりおよそ2000万円の違いが出るのだ。

中橋
「ある程度近々使う分は、全部カバー(購入)しようと考えていますね」

■この日、アメリカの農家のジョンソンさんも市場が開くのを待っていた。
大豊作を市場がどう受け止めるのか。
価格が下がってしまうのを心配していた。

■シカゴ商品取引所。
取引開始時刻は午前9時30分。
開始直後、価格は大豊作を受けて3ドル41セントから、
いったん3ドル38セントに下がった。

ところが10分後、これまでの常識では考えられないことが起こった。
価格が値上がりに転じたのである。

■しばらくは値下がりが続くと読んでいた東京の豊田通商に、シカゴから情報が入った。

古米
「コモディティファンドの買いがまとまって入ってきているらしい。
成り行き買いなんで、しかも売り注文が少ないらしい」

■一方こちらはコモディティファンドのハー氏。
この日の値動きを冷静に見つめていた。
ハー氏はこう分析する。
「発表の影響は5分と持ちませんでしたね。トウモロコシが豊作なんてことは、
すでにマーケットでは折込済みだったんです。
長期的に見て穀物は足りないわけですから、
膨大なマネーはいつも買いのチャンスをうかがって、
よしと思った瞬間に飛びつくんですよ」

■豊作になれば価格が下がるという相場の常識。

しかしコモディティファンドは、まったく別の論理で動いていた。
そして古米さんら大方の穀物関係者が
予想だにしなかった急速な値上がりとなったのだった。

古米
「きょうの数字からトウモロコシが6セントアップになるということは、
非常に考えにくかったですね」

飼料会社の日和産業は、この日希望通りの買い付けができなかった。

中橋
「失敗した。オープニングで取ればよかった。
5〜10セント安を見込んでいたが、逆にファンドが買ったということですよ。
それで一気に上がってしまった」

■市場はさらに値上がりを続けた。

買い注文が入り続け、この日だけで価格は10セント以上押し上げられた。
農家のジョンソンさんにとっては、思いがけない朗報となった。

ジョンソン
「はは。トウモロコシが15セントも上がっている。
昨日と比べたらすごい値上がりだ。
ファンドのおかげでトウモロコシの値段が上がるし、
ハレルヤです! ファンドさまさまですよ。
ファンドが動くことでチャンスが生まれるんです。
価格が動かなかったら何のチャンスもありませんけど、
値動きが激しければ高く売れる可能性が増えますからね。
きょうはもう畑に出る気がしないよ。
ラジオでマーケット情報を聞きながら金儲けしてた方がいい」

遺伝子組み換え作物への転換

■いまアメリカの農家の間では、収穫量が増やせる遺伝子組み換えの
トウモロコシへの切り替えが急速に進んでいる。
エタノール工場向けに、少しでも多くのトウモロコシを作るためだ。

■豊田通商シカゴ支店。
日本の商品メーカーから需要が多い
遺伝子組み換えしていないトウモロコシをどう確保するのか、
古米さんたちは契約栽培をしてきた農家のつなぎとめに奔走していた。

シカゴ支店社員
「全体的に、食いついてくる農家というのはほとんどいないですね。
今の状態であれば、100%エタノール工場に売りますよ。
フロー(流れ)が変わった。180度変わった。

だから僕らはやってくれるところを探し当てなければならない。
それほど今は農家のセリングパワー(売る力)の方が強い」

■古米さんは直接農家を訪ねて、
契約栽培を続けてくれるよう働きかけた。
この農家は豊田通商が特別に持ち込んだ品種を、2年前から作ってきた。

古米
「エタノール工場が周りに出来てる中で、最近の状況はどうですか?」

農家
「エタノール産業がどんどん大きくなっていってトウモロコシの価格が上がってうれしいよ」

古米
「来年もまた同じトウモロコシを植え続けてくれますか?」

農家
「それは状況次第だね。俺は利益を出すためにやっているんだ。
どっちが得か計算してみないとわからない。
好き嫌いじゃないんだ。
状況に応じて一番利益が出るものを選ぶだけなんだ」

古米
「経済原理で決めるという事情もわかりますが、
私たちの国では価格の高騰で苦しんでいるものですから…」

こうした状況について、古米さんは話す。

少なくともエタノールという政策が今後1〜2年は続くと考えられます。
もう来年、再来年、近い将来をどう乗り切っていくのかというのは、
ものすごく卑近の課題に感じました。

次は大豆だ!

■コモディティファンドのハー氏は、次なる投資に動き出していた。
きっかけはアメリカの低所得者向け住宅問題―
いわゆる「サブプライム・ショック」だった。

株式市場などから流れ出したマネーが、穀物市場に向かった。

この流れをハー氏はいち早くとらえた。
ハー氏が今回買い入れたのは「大豆」だった。

トウモロコシへの転作で大豆の作付面積が減ったため、
価格の上昇が見込めるのだ。

ハー
「投資家たちは株式市場が儲からなくなってきたので、
新しいホットな市場に投資したいと考えているんです。
穀物の中で今後数ヶ月で来るのはトウモロコシじゃない、大豆ですよ」

その言葉通り、先週大豆は19年ぶりの高値をつけた。

■穀物市場に今、さらに大きなマネーが流れ込もうとしている。

全米の主だったコモディティファンドが一同にかいする会議に現れたのは、
アメリカ最大の年金基金「カルパース」
(カリフォルニア州職員退職年金基金)の担当者だ。
有利な運用先はないか、有力ファンドと情報交換を重ねていた。

カルパース「大豆に投資したいのですが」
ファンド「大豆関連商品ですね。3ヶ月ものがありますよ」
カルパース「そうですか。リスクはあまり取りたくないのですが」

カルパースの総資産の27兆円に対し、大豆市場は4兆円。
巨大な年金マネーがさらに穀物相場を押し上げる。

■来年何を作れば儲かるか。

農家のジョンソンさんも大豆の値上がりに注目していた。
ジョンソン
「マーケットは、これから大豆が足りなくなると思ってる。
だから来年僕たちに大豆を植えてもらおうと価格を上げてるんだ。
マーケットをやるのは難しいよ。
農地は限られてるんだ。
来年どの作物を植えるべきか、
マーケットが作物に値段をつけて農地を取り合ってるんだ」

長年日本向けの豆腐用の大豆を作ってきたジョンソンさん。

大豆の値上がりが続く中、日本向けの輸出をやめて、
より多い収穫が見込める遺伝子組み換えの大豆に切り替えることも考えている。

■日本に食糧を安定的に供給してきたアメリカの穀倉地帯。

いま、後戻りのできない変化が起きている。
世界の金余りを背景に、食を操る存在となりつつあるファンドマネー。
その流入は今もなお続いている。
11:11  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

ファンドマネーが食を操る 2

f03-thumbnail2.jpg


新勢力コモディティ(商品)ファンド

■さらに新たなファンドマネーが穀物相場そのものを動かし始めた。

世界最大の穀物市場、シカゴ商品取引所。
これまで需要と供給のバランスで決まってきた穀物価格だが、
今や市場を大きく動かす新たな勢力が台頭してきたのだ。
それがコモディティ(商品)ファンドである。

■コモディティファンドは世界中からマネーを集めて、
株式と同じように穀物を売り買いして利益を上げる。

コモディティに投資するファンドの運用資金は、
2000年以降5倍に急増した。
長年穀物の取引にかかわってきた関係者は戸惑いを隠せない。

■コモディティファンドは穀物市場をどう変えたのか? 

フロリダでコモディティファンドを運営するスタンレー・ハー氏。
この1回の取引で動いた金額は7億円。
1日で3億円の利益を上げたこともある。
ハー氏は言う。
「穀物が単なる食糧でなくエネルギーにもなったことで、
価格が大きく変動することになりチャンスが生まれています。
市場を読む力さえあればいくらでも儲けられるんです」

去年から今年にかけてハー氏が行った
トウモロコシの取引の記録を見てみよう。

ある日の買い注文は123万ブッシェル。
およそ3万トン(1ブッシェル≒25.4キロ)。
4ヶ月で14回、合計21万トンに及んだ。
他のコモディティファンドも大量の買い注文を入れた。
買い注文の残高は、今年1月には過去最高を記録。
価格は上昇の一歩をたどった。

ハー氏は価格がピークを迎えた直後一気に売りに出て、
2億8000万円もの利益を稼ぎ出したのだった。

ハー氏のもとには世界各地から資金を入れたいという電話が寄せられる。
ハー氏は穀物の他にも原油や貴金属など、
60種以上の商品を売り買いしているのだ。

「どんな商品であれ、利益が出ればいいんです」
とハー氏は語る。

「でもわれわれファンドは市場を活性化させるという重要な役割も担ってるわけで。
まあ別にわれわれなどいなくていいんですけどね、ほんとは」

エタノール用の種子の開発

■ファンドマネーが引き起こした異変は、
アメリカの農業そのものにも及ぼうとしている。

豊田通商の古米(ふるまい)さんは、この日、
飼料メーカーの担当者と共に世界最大の種子会社―
イリノイ州にあるモンサント社を訪れた。

アメリカの農業がどこへ向かおうとしているのか、
その最新情報をつかむためである。

この先農家が何を作るのかは、開発される種子に大きく左右される。

古米「この種子、色が若干違いますね」
モンサント社「この品種は2〜4%多くエタノールが取れるのです」

エタノール工場向けに新しい種子の開発が進んでいた。
でんぷんが含まれる割合を増やし、
同じ量のトウモロコシから多くのエタノールを作れる品種である。

古米「こういう品種がいま人気が出てるんですか?」
モ社「このトウモロコシはすごい人気です。特に農家にはね」

■古米さんと同行した飼料会社・日和産業の中橋太一郎さんは、
いつかトウモロコシがエタノール向けばかりに
なってしまうかもしれないという不安に駆られた。

中橋さんは話す。
「先程プレゼンテーションがあったトウモロコシは、
僕としては作ってほしくない気がします。
でも現実問題として厳しいかもしれませんね、
アメリカ国内がこれだけエタノールでフィーバーしてしまうと。
今までのようにアメリカの穀物=余っているものとして
日本へ来る時代は終わってしまったのかなと思います」

農家もまた翻弄される

■農家もエタノール・ビジネスによる変化に巻き込まれている。

エタノール工場の近くで農業を営むアーウィン・ジョンソンさん。
200ヘクタールのトウモロコシ畑で今年初めての収穫を行った。

ジョンソンさんは語る。
「考えてみなよ。このコンバインで1回収穫すると
300ブッシェル(7.6トン)になる。
いまトウモロコシの価格が1ブッシェル4ドルくらいだから、
これ(収穫物を入れる容器)をいっぱいにするごとに
1200ドルずつ儲かっていくんだよ」

■ジョンソンさんは毎日何度もパソコンの前に座る。

エタノール工場が提示する買い取り価格をチェックするためだ。
「地元の業者は3ドル11セント。
こっちのエタノール工場は3ドル20セントだから、9セント高いね」

■ジョンソンさんの家の周りには4つのエタノール工場ができた。

工場は農家から少しでも多くのトウモロコシを
買い集めようと、買い取り価格を競っている。
ジョンソンさんは、この日一番高値で買い取ってくれる
エタノール工場に売りに行くことにした。
このようにトウモロコシを売って得られる収入は、1年前の2倍近くに増えた。

■さらにジョンソンさんは今年、長年続けてきた作付けを変えた。
大豆畑を減らして、価格の上がったトウモロコシに切り替えたのだ。
トウモロコシは、同じ畑で作り続けると病気や虫の被害を受けやすい。
それを防ぐためには、年毎に大豆と交互に植えなければならないとされてきた。

しかし今年は、価格の上がったトウモロコシの植え付けを増やすため、
大豆畑の3分の1をトウモロコシに切り替えたのだ。

■大豆畑でジョンソンさんは、長年日本の豆腐向けの大豆を作ってきた。
味や風味はよいが収穫量が少なく、
栽培に手間がかかる「遺伝子組み換え」をしていない大豆だった。

ジョンソンさんは言う。
「私は遺伝子組み換えをしていない豆腐用の大豆、
特に日本の人に食べてもらう大豆を作るのが好きでした。
でも私はビジネスを第一に考えてるんです。
だからどれだけ収益を上がられるかが最も大切なことなんです」

■この地域では最近、トウモロコシを貯蔵するための
大きなサイロを建てる農家が増えている。
相場が安いうちは売りに出さず、高くなるまで貯めておくためだ。

ジョンソンさんも今年330万円を出して、サイロを共同で購入した。
今や農家がトウモロコシの価格決定にも力を及ぼすようになったのである。

ジョンソン
「農家の力で価格を上げられるという新しい時代がやって来たんです。
買う側の言いなりではなくて、私たちが何をどう売るのか
影響力を発揮できる時代なんです」
11:04  |  アメリカの経済  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2008.03.13 (Thu)

ファンドマネーが食を操る 1

http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-date-200711.htmlより転載
f9.jpg


■私たちの食を巡る状況が急速に悪化している。

連日のミシュラン3つ星騒ぎやインド洋給油継続の是非、
在日米軍への思いやり予算の額などで紛糾している陰で、
ガソリン・灯油をはじめ食品や日用品の値上げラッシュが始まっている。

食糧自給率のさらなる低下や農業の衰退の中で、
政府はいまだに海外からの輸入を中心とした
安易な依存政策から抜け出ようとしていない。

果たしてこれで日本の食の確保は今後も大丈夫なのだろうか。

■先日19日のNHKスペシャル
「ファンドマネーが食を操る 〜穀物高騰の裏で〜 」
という番組を観て、日本の食糧確保の行く末に大きな不安を抱いた。
番組を観ていない人にもだいたいの内容がわかるように、
いくつかのパートに分けながら、なるべく詳しく記載してみたい。

その1

■豊作になれば値段が下がり、不作になれば値段が上がる。
長い間このようにして決められてきた穀物の価格に、
いま異変が起きている。